もう逃げられない! 供血で崩壊した飼い主さん

 

 

「供血犬募集!」「この子たちを助けて!」「里親募集!」
そんなよく見かけるボランティア募集の募集。

しかし、中にはこういった募集により辛い目にあった方が居るのも事実なのです。
今回は、「供血犬募集!」で実際にあったお話をしてみましょう。

 

 自己免疫性溶血性貧血


私のサイトでは度々登場しますが、この病気は
「自分の赤血球を自分で壊してしまう病気」です。
つまり、放っておけば貧血→死と進んでいきます。

対策としては、自分の免疫力を抑えます。
つまり、感染しやすかろうがまずは赤血球壊すの止めて!といった治療を
免疫を抑える薬により行いますが、それでも輸血が必要になる子が大勢居ます。

小西さん(仮名)もそういった子を持った一人。

最初は知り合いの飼い主さんに供血をお願いしていましたが、
それでは追いつかなくなり、ついにネットでの募集に踏み切りました。

 

 ネットでの募集!大成功・・・ですが


ネットの募集は大成功。
たくさんの飼い主さんから、「うちの子を使って!」「助けたい!」と
嬉しい声が届きます。

涙を流しながら喜んだ小西さん。
血液の合う子も多く見つかり、貧血→輸血→貧血→輸血・・・と
何とかその子の命をつなぎとめる事が出来ました。

しかしそんな中、大きな問題が発生します。

 

 金銭面での負担


小西さんのご家庭の収入は、中の下くらいでした。

貧血の度合いを毎週調べ、薬を大量に毎日飲ませ続け、
そして輸血の検査に輸血自体の費用・・・

負担は重く小西さんに圧し掛かり、ついにはサラ金に銀行ローンに
大きな負債を抱え込むほどに。

更には度重なる輸血の為、なかなか血液の合う子が見つからなく
(※だんだんと適合する血液が減ってくることがあるのです)
ひたすら見つかるまで仕事を休みながら毎日毎日病院通い。
日に日にやつれていく小西さん。

ついに小西さんの口から「もう無理です」と言う言葉が漏れ出しました。

 

 

 豹変した親切な飼い主


小西さんは、ネットで知り合ったお世話になった飼い主さんたちに
メールで「もう諦めたい」旨を伝えました。

しかし、ここで親切だった飼い主さん達が豹変します。

「あなたが見捨てたらその子は終わりなのよ!
借金が何なのよ!何とかお金くらい作りなさいよ!」

「最低な飼い主だな。お前が殺すんだぜ?」

「せっかくうちの子から血を分けてあげたのに。がっかりしました」

「結局無責任な奴だったんだね。犬殺し!」

小西さんの状況や苦しみは一切関係なしに、
怒涛のごとく酷い言葉を浴びせる親切だったはずの飼い主さん達。

小西さんは耐えられず、「すみませんでした。頑張ります」と
もうどこにも無いお金の工面をし始めました。

・・・そして一線を越えてしまいました。

会社のお金に手をつけ、会社をクビに。
いよいよ小西さんの生活は崩壊してしまいました。

 

 それでも続く親切?心


「次はこの子が供血出来るわ!」

「大丈夫!うちの子もスタンバイしてるから!」

小西さんへの電話・メールは止まりません。

会社をクビになり、アテの無い小西さんでしたが、
再び「犬殺し!」「最低!」と言った言葉を言われるのが怖く、
何も言えずに無理やり病院へ向かう日々でした。

既に病院にも数十万の未収金を抱え、住む所は無くし、
遠い友人の家に何とか泊めてもらいながら・・・
更に痩せまくっていく小西さん。

そんな中、突然飼っていたその子が亡くなりました。
もう体が限界だったのだと思います。
その時、小西さんから出た言葉は・・・

 

 悲しい言葉でした


「ああ・・・やっと終わってくれた・・」

その子に対する強かった愛情もいつの間にかどこかへ。
安堵の表情を浮かべ、その場に崩れる小西さん。

大好きだったはずなのに、大切にしていたはずなのに、
その子が早く亡くなる事を望むようになっていたのです。

本当の親切とは何なのか。
小西さんはどうすれば一番良かったのでしょう。

今でも私には答えが分からない、そんな事例です。

 

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