血液一般検査マスター2 白血球に関わる値

 

引き続き血液一般検査についてお話します。
今回は「白血球」についての項目。

白血球の大きな役割の一つは体を守る事。
細菌やウイルス・寄生虫に始まり、ハウスダストであろうとなんだろうと、
異物を処理してくれるのはこの白血球なんですよ~。

ではでは、一つずつ白血球の数値を見ていきましょう。

 

 WBC


一番基本的な部分、「白血球数」です。
体を守る白血球、どうやって体を守っているのでしょう。

これは「貪食」と呼ばれる行動と「情報の伝達」によります。
ちょっと難しいかも知れませんからもっと簡単に・・・
つまり「物を食べる」「どんな悪者が入ってきたか伝える」訳です。

悪者(細菌・寄生虫など)が体に入ると、白血球はそれら悪者を
一生懸命食べたり、他の白血球に情報を伝えたりしなければなりません。
なので、一般に白血球数は増える事になるのです。
たくさん居た方が悪者を退治しやすいでしょう?

ですから「白血球の数が増加している」→何かに感染しているのでは?
などの見方が出来るのですね。

ただ、ウイルス感染などでは白血球数が
減少してしまうものもあるので厄介です。

 

 

 Mon


単球と言う種類の白血球です。
主にストレスや慢性的な炎症で増加します。
働きは物を食べる事が中心の白血球です。

 

 Band


棹状核好中球という白血球です。
簡単に言うと、作りかけの若い白血球です。

菌に重度に感染したりすると、若い白血球の数が多くなります。

 

 Bas


好塩基球という種類の白血球です。
通常は発見もまれな非常に数の少ない白血球です。

慢性炎症やクッシング症候群で増加する事がありますが、
基本的にあまり中心的に見る項目ではありません。

 

 Eos


好酸球という種類の白血球です。
機能についてはまだまだ不明な部分の多い白血球ですが、
この好酸球はアレルギー疾患や寄生虫疾患で増え
診断にも重要な項目となります。

 

 Segs


分葉好中球という白血球です。
これが白血球数の中のほとんどを占めます。
細菌をやっつけるなどの防御の働きが主ですが、
体の組織に障害を与えてしまうという特徴も持っています。

「ばい菌が入って膿んじゃった・・」の時の膿みは、
ほとんどこの分葉好中球の死骸となります。
また、よくドラマの、ナイフなどで膿みを出しているシーンが
ありますが、これは放って置くと「体の組織に障害を与えてしまうから」ですね。

主に細菌感染で増加する、診断にも重要な白血球です。

 

 Lympho


リンパ球という白血球です。
このリンパ球の働きは主に「免疫」に関する事。
抗体を作ってくれるのもこのリンパ球です。

また、ワクチンを打って、そのウイルスの事を覚えておいてくれるのも
このリンパ球の役割となっています。

主にウイルス感染で増加します。

 

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