猫の腎不全は有名ですが、実はまだまだたくさんある猫の腎臓病。
今回は他の腎臓病をピックアップしてみましょう~。
腎盂腎炎
尿は、血液→ろ過→腎盂→尿管→膀胱・・・という感じで流れていきます。
膀胱に細菌が入り込んで尿管、腎盂と細菌が移動すると、腎盂腎炎になります。
よく「おしっこを我慢すると膀胱炎になるよ!」というのがありますね。
膀胱では、細菌が増えてくる→おしっこで洗い流す→また増えてくる→・・・
という繰り返しをしています。
なので、おしっこを我慢する→細菌が増える時間を
増やしてしまう→膀胱炎、とつながるんです。
膀胱炎になって細菌の歯止めが利かなくなると、
尿管、腎盂と細菌感染してしまうんですね。
この場合、もちろん膀胱にも尿管にも細菌はいますので、
膀胱、尿管もやられています。
治療は点滴と一緒に抗生物質を投与してあげて、
腎盂、膀胱、尿管にいる細菌を倒そうとするものになります。
糸球体腎炎
糸球体は、血液をろ過して尿を作るところです。
ここがやられてしまうので、まともに尿が出来なくなってしまう、危険な腎炎です。
原因としては、他の部分に細菌が感染して、体がそれをやっつけよう!とします。
そして無事やっつけたのはいいのですが、殺された菌と抗体がくっついたものが
この糸球体まで流れてきて、くっついてしまうのです。
このくっついてしまったものが、糸球体に炎症を起こしてしまう病気です。
さらに、そのくっついてしまったものを処理しようと集まってきた白血球で、
血管が詰まってしまって悪化することもあります。
治療は細菌をやっつけないようにすること、または糸球体に
白血球が集まってしまわないようにすることです。
つまり免疫を抑えることですね。
そういった理由により、ステロイドなどを使用します。
間質性腎炎
尿をろ過している部分の、周りの部分に炎症が起こるものです。
結果、両方の腎臓(腎臓は二つありますからね!)が小さくなります。
原因は、はっきりとは分かっていませんが、分かっているものとしては
薬のアレルギーによるものがあります。
治療は点滴、薬によるものが主ですが、程度によっては
移植が必要になることもあります。
水腎症
最初のお話で少しこの名前を出しました。
腎臓は常に尿を作っています。
それが尿管を通って、膀胱に運ばれて溜まっていく訳ですね。
もし、尿の通り道のどこかが塞がれてしまったら・・・
腎臓にどんどん作られた尿が溜まってしまいます。
これが水腎症なのです。
原因は結石などで尿管が詰まってしまう場合、
腫瘍が尿管の近くに出来て尿管を圧迫している場合、
尿管自体が感染している場合など、実に様々です。
原因から分かるとおり、通常は片方の腎臓だけに起こります。
治療は外科手術をします。
点滴をしたら更に尿を作らせてしまう原因になりますよね。
多発性腎嚢胞
遺伝性の病気です。
腎臓に水が溜まった袋がたくさん出来てしまいます。
ペルシャ猫に多発します。
徐々に腎臓の機能が低下してしまいますので、
最終的には透析治療などを行います。
アミロイドーシス
アビシニアンで起こりやすいと言われています。
腎臓に体で作られた異常なたんぱく質がくっついてしまう病気です。
治療法は無く、長生きさせるための対症療法しか出来ません。
腎リンパ腫
猫の代表的な腫瘍です。
多くは両側の腎臓に起こってしまいますが、片方だけの場合は摘出します。
両方とってしまったら余計に早く死んでしまいますからね。
抗がん剤で治療します。
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