「うちのネコちゃんが最近少し様子がおかしいみたいで・・ウンチをする時にすごい力んでいるかんじで、やっと出たと思ったらものすごくたくさん のウンチを出しているんです。他の動物病院で診てもらったのですが、行く度にウンチを押し出すくらいで、いい治療法はない、と言われてしまいました。原因は大腸が大きくなって、そこにウンチがたくさん溜まってしまうからだそうです。何か良い治療法はありませんか?」
さて、こんな猫さんがやってきました^^;
軽い便秘であれば、人間と同じで食物繊維をとらせてあげれば
改善することもありますが、だいたい、このような症状の猫は
食事だけでは治りません。
ウンチが出なくなる、大腸が大きくなってウンチが溜まってしまう、猫、
これらから考えると「巨大結腸症」の可能性があります。
いや~・・病気の名前を付ける人ももう少し考えたほうが・・・
玉ねぎ中毒やら巨大結腸やら・・・・
ということで、この「巨大結腸症」はその名前通り、
結腸が大きくなってしまいます。
結腸は水分の吸収をしているところなんです。
結腸が大きくなる→ウンチが溜まる→ウンチの水分をどんどん吸収してしまう
→ウンチが出なくなる→ウンチが溜まる・・・・
という悪循環が起こってしまうんですねぇ。
この治療法は以前まではなかなか良い治療法が無かったのですが、
今では薬による治療、手術による治療、共に効果的な治療が発見されています。
薬による治療
腸の運動を強くするような薬をあげます。
無理やりウンチを押し出してしまうんですね~。
この薬の大量投与では、ほとんどの猫でウンチが出ています。
しかしながら、何回も飲ませてしまうと薬の効きが悪くなってしまい、
結果、一回の薬の量が増えてきてしまうといった難点もあります。
つまり、症状が比較的短期な猫に対してもっとも効果的な治療法ですね。
また、ラクツロースなど便の水分を増やして柔らかくさせ
出しやすくするような薬も使います。
手術
本来はこの方法で治すと言われている病気です。
大きくなっている部分を切り取ってしまうんですね。
そうすればもう溜まる所が無いのですから、症状は出なくなるのです。
強制排便
人間の手を使って、強制で排便させてあげる方法です。
定期的に病院に通う、あるいは飼い主さんが技術を取得する事で
猫の排便をずっと手伝ってあげます。
ただし、不正確な技術ですと腸を傷つけてしまう可能性がありますし、
嫌がる子(ほとんどの子は嫌がります)ですと、排便を行うたびに
ストレスをかけ続けることにはなってしまいます。
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