漫画「動物のお医者さん」もあっという間(?)に第4巻ですが、
この段階まででも作者の佐々木倫子さんは本当に動物の描写が上手だなぁ・・と感心してしまいます。
このコンテンツでは「獣医が読んだ結果」と謳っていますので、「動物が可愛かったです!」といったレビューを書くと座布団やら生卵やらスナネズミやらが飛んできそうですので紹介していませんが(汗)、どの動物も本当に可愛い。
これだけ上手なのにこの作品以外に動物が多く出演する漫画が無いのはどうして?
もったいないですねぇ。
もったいなさすぎるので、ビーグル獣医のサイトの挿絵を描いてもらいたいと思っています。
え?お金?そんなにかかるの?
大丈夫。ビーグル獣医のお財布には今1万円札が入ってますからね。
え?足りない?
そ・・そんな・・下手するとビーグル獣医お気に入りのトップバリュうどんが180食近く買えるんですよ?
3食食べても2ヶ月分の食費になるんですけど・・ダメ・・ああ・・そうっすか・・
2年生の秋となり、本格的に獣医学部に通うこととなった学生たちの様子^^;
H大の場合は1年生は他の学部と一緒に一般教養、2年生の秋から完全なる獣医学部になるようですね。
1年半もの間キラキラのキャンパスライフを確保出来るとは羨ましい。
「R大は違うの?」
R大は一年目から獣医学部オンリーで授業を受けていきますので、キラキラ出来るとしてもそれは一瞬の出来事です。
夢を見られる期間にも格差がある・・それがH大とR大の違いと言えるでしょう。
でも、R大新入生たちはそれが一瞬のことだなんて全く知りません。
新入生ですからね。R大とH大の格差を理解出来ていないのです。
念願のキャンパスライフを夢見てR大にやってきた全国各地の新入生たちは周りに後れを取らないよう、それぞれの地方で得た知識を最大限活かしたファッショナブルな出で立ちで北海道へと降り立ちます。
ある福井県民は龍が刺繍されたジャンバーで威嚇し、ある茨城県民は慣れないブランド物で固め、ある岐阜県民は履き慣れないヒールでやや足首を痛めますが、みんながみんな持てる力をいかんなく発揮しているだけなのです。
笑ってはいけません。ビーグル獣医だって気張って流行りの服(当時ジャージが流行っていました)を買った一人なのです。
しかし、彼らはすぐに知る事となります。
ここがR大である・・と。
龍のジャンバーでは寒さが凌げないことを知り、ブランドバッグだと吹雪が入り込むことを知り、ヒールは牛糞に刺さると汚シュランにノミネートされんばかりの汚物になるということを知っていくのです。
犬や猫と戯れながら、おしゃれな友達と学食でパスタでも食べちゃおうかしら♪
そんな夢は夢であったと思いを馳せながら、彼らは特製ミルク入り中華風パスタ(酪農ラーメン)をすすって暖を取るのでした。
ちなみにここでちょろっと出現した小林くんですが・・
小林くんはなんと開業医の息子。
親に「獣医になれ!」と強要されて、いやいや獣医学部に通っている学生です。
本当はミュージシャンになりたいのですが、そちらの素質は全く無く、
獣医の素質は溢れ出してしまっているという可哀想な設定となっております^^;
二階堂が「いいなー」と言っているように跡継ぎと言うと羨ましいイメージですが、
実は跡継ぎには跡継ぎなりの苦労があったりもするものです。。
ビーグル獣医が出会ったある跡継ぎは、実家の動物病院を継がなければならないがために
8浪して国家試験を2回落ちてやっと獣医師免許を取得したという猛者もいました。
息子さんが高校を卒業して6年以上が経ったにも関わらず、当然跡継ぎは病院には現れません。
「ところで院長先生、息子さんは獣医にならないんですか?」
「え、ええ・・獣医ですよ。い、今、卒業して武者修行に出ているんです。」
息子さん、部屋に居ます(笑)
「お前・・受かるまで絶対に外に出るなよ・・受かったら家を出て一人暮らししなさい。」
その一人暮らしが始まったのはその2年後、そして国家試験を受かったのはその10年後・・
実家付近で堂々と顔を出すことが出来るようになったのは、実に34歳になったときでした。
「10年近くも武者修行して帰ってきた優秀な息子さん」
「もう跡を継ぐのも時間の問題」
と噂された獣医は注射針さえまともに刺せない獣医だったそうな^^;
その病院で中堅どころの獣医と思いきや実は新人・・なんて獣医が
皆さんの通っている病院にもまぎれているかも知れませんよ~。
また、お話は戻りますが、このシーンでは当時としては珍しい髪の毛の色をしている小林君を見て・・
「ピューラックスをかぶってしまったんだろうか」
と言われているこのピューラックスは、いわばキッチンハイターの高級版。
ハイターよりも安全性が高い殺菌消毒剤です。
殺菌消毒剤ですので「洗う」目的ではまず使いません^^;
殺菌効果は非常に高く、ほとんどのウィルスや細菌を倒せますので飲食店や食品工場などでよく使われています。
高級版を使っているなんて、お金が無い無い言いながらもなかなか裕福ですねぇ。
ちなみに気になる「髪の毛脱色出来るのか・・?」についてですが・・大して脱色出来ません。
それどころか、髪の毛がツルツルヌルヌルになって数日間刺激臭に悩まされたあげく、
ウケ狙いにもならないような地味な苦しみを味わう事になりますので絶対にやめましょう。
北海道の特に学生の間で頻繁に行われるジンギスカンを焼く飲み会、通称「ジンパ」のシーン。
それがジンギスカンパーティーの略なのかジンギスカンコンパの略なのかは結局不明なまま、
「ジンパ」と呼ばれる謎の飲み会は今年も行われることでしょう。
H大とR大のサークル同士で合同のジンパが行われる場合もありますが、
「おしゃれさ」「頭の良さ」では敵いませんのでR大の学生は・・
・ジンギスカンをひたすら焼く
・サーバーでビールを注いであげる
・率先して片づけをする
・余興を始める
など、持ち前の人の良さを前面に出してアピールし、あわよくばH大の格好良い人や可愛い人と
お付き合いを出来ないかと頑張りますが、「また飲みましょうね♪」などと軽くあしらわれ撃沈します(涙)
龍のジャンバーがいけないのでしょうか。
はたまたヒールの牛糞がいけないのでしょうか。
もしかするとR大との合同ジンパは、H大が楽にジンパするための策略なのかも知れません。
田舎で飼っている犬が白癬菌にかかってしまったという話。
クリームを塗っとけと言われていますが、この治療だけだと実は全然ダメ~^^;
白癬菌にクリームのみの処方はちょっと感心できません。
クリームやローションでは菌の居る奥深くまでは浸透しませんので、
内服薬は必須、シャンプーも併用するのが基本です。
むしろ、クリームの界面活性剤のせいで皮膚が刺激されて悪化する恐れすらあります。
毛を刈るのは良いと思いますけどね~。
その理由は内服薬は毛根辺りまでは効くけれども毛先までは届かないから^^;
治ったーと思いきや毛先の菌が生き残っていて再び発症・・なんてことにならないように刈った方が良いのです。
ただ、これだけガッツリ毛刈りしてしまうと皮膚を守る事が出来なくなりますので、
日差しに気を付けないと逆に皮膚病になっちゃいますね~。
つまり、病気じゃないのに「暑いから!」と行き過ぎたサマーカットをしている飼い主さんが
いらっしゃいましたら、それは皮膚病を製造しているだけですので注意しましょう。
まあ、可愛いですけどね(笑)
ちなみに人間の水虫もこれと同じような病気です。
つまり、お父さんが一生懸命クリームを塗りたくっていた場合、それは家族への脅威なのです(苦笑)。
界面活性剤で悪化したお父さんの足からは大量の白癬菌がばら撒かれ、家庭内パンデミックを引き起こします。
対策としてはまずお父さんに内服をしてもらうこと。
そして、お父さんが毛深い場合はつるりぬるりに脱毛することです。
当然、つるりぬるりとしたお父さんの威厳は大変に失われることでしょう。
しかし、誰が何と言おうと「自分のプライドを捨ててまで家族を守った男」です。
今は「お父さんキモイ臭いつるりぬるり」と言われたとしても、結婚する頃には「お父さんが全身脱毛してくれたおかげで私も早く結婚することが出来ました」などと感動の言葉を結婚式で披露してくれることでしょう。
さて、よく分からなくなってきましたが(笑)そろそろ第4巻も終わりにしましょう^^
最後に・・
「獣医なら・・」「獣医学生なら・・」「何とか幸せにしてくれるはず・・」
そんな期待を込めて責任放棄するなんて計算高くて特に最低だと思いますね~。
このシーンでは結局勘違いということで終わったのですが、
実際に獣医学部の前に犬が捨てられたことがありました。
そして、今は動物病院の目の前に犬を捨てられる事があります。
そんな人は自分が病気になったり老いた時に家族に捨てられちゃいますように♪と
毒を吐かして頂いて(苦笑)、今回は終わりにしたいと思います。ではでは^^
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