獣医学生は5年生や6年生になると、大学病院で実習することになります。
この病院実習は簡単に言うと病院の見学です。
現場がどうなっているのかを学ぶ良い機会ですね^^
たくさんの学生が、診察室の端っこで研修医の治療を見学するのです。
ちなみにこの研修医というのは、大学を卒業した後も大学に勤めて勉強を続ける方々の事です。
つまり、ちょっと前までは先輩後輩の関係だった方がほとんど。
しかし、大学生だった頃との大きな違いがあります。
それは「獣医師免許を持っている」ことです。
憧れの獣医師免許を手にした先輩は、これまでの先輩とは一味違って見えます^^
羨望のまなざしで先輩を見つめる後輩たち・・・
一方、先輩である研修医も格好いい所を見せたい!と思うでしょうね~。
そんな時に限って、なぜかやってくる想定外の患者さん・・・
研修医も経験を積んでますから、よく診る犬や猫については
十分安定した診察を行うことが出来ます。
今日も犬や猫の患者さんだったら良かったのですが・・・
なんと見学の真っ只中、
カメを連れてきた患者さんがいらっしゃったのです。
カメもしっかり診られる准教授はその時不在。
大学病院ですから「わからない」と言えない、それに見学の学生がたくさん見ている・・・
しかし獣医として適当な診断はするべきじゃない・・・
色々と葛藤したのち、カメがよく分かる先生の為に
何とか情報だけは用意しておこうと思ったのでしょう。
体調が悪いカメのレントゲンを撮ってみましょう、と準備を始めました。
どんな風に検査するのかワクワクの私たち。
しかし!現像されたレントゲン写真、それは明らかに・・・・・
甲羅なのでした。
甲羅しか写っていないのです。
研修医は二人居たのですが
A「甲羅ですね~」
B「うん、甲羅だね~」
・
・
・
五分後・・・
A「甲羅ですね~」
B「うん、甲羅だね~」
いつまで続けるんでしょう(笑)
私はそこで「分からない分野は分からない」と
はっきり言うのが良い、と言う事を学んだ気がします。
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