獣医師免許は小動物、大動物で分かれていません。
なので、町の動物病院の獣医はみんな牛や馬を見る資格も持っているんですよ~。
特にビーグル獣医の大学は大動物主体で開かれた大学でしたので、
ゼミでも大動物を扱うところが多かったのでした。
例に漏れず、ビーグル獣医のゼミにも牛が居ました。
牛が居れば、当然お世話をしなければならないのですが・・
牛のお世話は糞掃除や餌やりが中心となります。
ゼミに配属になってから早1ヶ月が経過し、徐々に牛のお世話にも慣れ始めていました。
でも、いつになっても拭えないのはその危機感^^;
相手は体重約800キロです。
潰されたらそこまで。
獣医になる夢は諦めなければなりません。
そんなある日。
私がいつものように餌をあげに牛房の中に入って作業をしていると・・
いきなり!肩にドーンと重みを感じ、体が沈みこみました。
そう、牛が肩に乗ってきたのです。ウンコまみれの前足で。
それだけでも「ちょっとウンコはやめといてくれ、頼むから」と
説得するに値する事態なのですが、更に・・
よく見るとアレ(男の大切なとこ)がビンビンしているんです!!
「まてぃ!!俺はオスだ!!」
牛に通じるわけありません。
ビーグル獣医は引き返せない道へと進んでしまうのか!?
しかも牛の脱走を防ぐために柵は厳重に閉じてあり、完全な密室状態。
さあ、どうする。
完全にパニックだった私は持っていたスコップで牛のお尻をパコーンと殴りました。
しかし、相手は大興奮状態。
魅力的なビーグル獣医も悪かったのかも知れませんが、
自己中心的な愛情は時に人の迷惑になるってことを分からせなければなりません。
その後もパコーンパコーンとお尻を殴り、かろうじて強姦牛から逃げ切ることが出来たのでした。
獣医を志すものとして、スコップで動物を殴るというのはいかがなものかと
思うのですが、明らかに人生がかかっていたと思われますので仕方がありません。
人生の中で道具を使って動物を殴ってしまったのは、後にも先にもこれ一回限りです(汗)
牛さんごめんなさい。
それからもその牛は度々私を襲ってきました。
一途な思いは十分に伝わりましたが、その思いは受け取れません。
相手の気持ちをよく考えて恋はするべきだと思った、学生時のビーグル獣医なのでした。
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