こんな患者さんが来ました6 噂の飼い主さん

 

 

(コピペ)
これまでに動物病院に来られた飼い主さん達。
中には「マジですか!?」と言う飼い主さんもいらっしゃいます。

一体どんな飼い主さんだったのでしょう(笑)

さて、早くも第6回となりました^^

今回のテーマは「噂の患者さん」です。

 

 通いすぎて・・・


ある多頭飼いの飼い主、小松さん(仮名)。

飼っていた犬がそれはそれは病気に縁があり、
実に色々な病気で病院に通院されていました。
週に2~3回は通院していたと思います。

皮膚炎に腎臓に肝臓に腫瘍に・・・
主な病気はほとんど経験されたのではないでしょうか。
そんな小松さんだったからでしょうが・・・

飼主「この子最近凄い水を飲むのよねぇ・・どうしてかしら・・」

小松「・・・おしっこの量は?避妊はしてる?してるなら
もしかしたら腎臓がおかしいかも知れないわよ!」

飼主「え?あ・・はい。あの・・どうしたら良いんですか?」

小松「そうねぇ、ぺらぺらぺらぺら・・・・・」

なんと待合室で診察まがいの事を始めた様子(汗)
その後、診察室では・・

獣医「うーん、もしかすると腎臓か、ホルモンの疾患か・・
一度血液検査して確認しといた方が良いかもですね。」

飼主「え!さっき小松さんが言ってたのと同じですね!凄い!」

獣医「え?あ・・そうなんですか。」

小松さんの名前は、飼い主さんの間であっと言う間に広がりました。
そして、いつも待合室では小松さん!小松さん!とひしめき合う飼い主さんたちの姿が・・・

 

 楽しくなってきたようです


小松さんは段々と味をしめ、頼られる事の楽しさを
覚えていってしまうのでした。

毎回、飼い主さんに診察まがいな事を続ける小松さん。
ところがある日、大きな問題が起こってしまいます。

飼主「最近この子、よくおじさんが痰を吐くみたいな事をするんですが・・」

小松「何か最近変わったもの食べた?」

飼主「うーん、おやつではめざしとか・・」

小松「もしかすると、そのめざしがひっかかっちゃったのかも
知れないわね。その場合は特に何も出来る事は無いと思うから待つしかないわ。」

飼主「え?そうなんですか?じゃあ今日は様子を見ようかしら!」

なんと、飼い主さんは診察を受けずに帰ってしまいました(汗)
これが大変な事態を招くとは知らずに。

 

 

 ある日、問題は起こりました


飼主「先生!大変なんです。うちの子が口を開けて苦しそうに・・」

獣医「うーん、チアノーゼ(酸欠)を起こしてますね。酸素室に入れましょう。」

飼主「小松さんは大丈夫だって言ってたのに・・どうして・・」

実は心臓病を経験していなかった小松さん。

おじさんが痰を吐くような咳が、特に心臓病の進んだ段階では
よく見られる事を小松さんは知りませんでした。

もちろん、咳が出ていたとしてもそんなに急には
チアノーゼを起こすような状態にまでは到りません。
あまりにもタイミングが悪かったのでしょう。

獣医が聞けば、誰でも心臓を候補に入れるような症状ですが、
運悪く、獣医に見せずに帰ってしまった事で状態は悪化してしまいました。

 

 今度の噂もあっという間でした


その飼い主さんは、小松さんを恨み、色々な噂を振り撒きました。

「あいつは知ったかぶりだ!」

「待たなくて良いようにウソをついて帰らせる」

「あいつの嘘に殺された犬が何匹も居る」

「診察まがいで金を巻き上げている」

何ともまあ・・酷い噂が流れていく事となります。
小松さんの立場は、あっという間に厳しくなりました(汗)

そして・・

 

 病院に来なくなりました


小松さんは、その動物病院に来なくなりました。

きっと、最初は動物の事をしっかり考え、言われた事をきちんと覚え、
一生懸命だったからこそ、受け答えが出来る程の知識を得たのだと思います。

ただ、「診察」の重さを理解していなかったのでしょう。

「小松さんは調子に乗りすぎたね」「獣医じゃないのに出しゃばるから」
そんな獣医の意見も聞こえてきそうですが、私は獣医でも同じ事が起こると思います^^;

より正確で、しっかりと理解を得られる診察で無ければ
あっという間に同じ立場になってしまうと思います。

獣医にこそ、この小松さんの例は覚えておいて欲しいと
思ってしまいますね~^^;

 

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