牛・・それは常に脱走を企てる生き物。
牛・・それは意外に足の速い生き物。
本気を出した彼らは、まるでターフを駆け抜ける馬のごとく
誇らしげに、そして華麗に走りぬけ、学生たちを困らせます。
今回はビーグル獣医が大学4年生の頃のお話。
脱走した牛を巡る学生たちのドラマです。
それはある晴れた昼下がり・・
私はいつもどおり牛の餌やり、 糞掃除をしていました。
しかし、何かがいつもと違いました。
嫌な予感はしていたのです。
だって牛が前足を地面に「カッ・・カッ・・・」と、今にも闘牛が
始まりそうな勢いで叩きつけているんですもの。
そして・・・「ドカーーーーーン」
「あーーーー!!柵ぶっ壊して逃げたーーーー!!」
マジで・・・本当に闘牛始まったよ・・・
そこからが大変大変。
牛が逃げた時は他の研究室の学生だろうと関係なく、
みんなで力を合わせて捕まえること、これは暗黙の了解となっています。
逃がしたのはビーグル獣医ですが、あっという間に助けに入る仲間たち。
心強いです。
牛が飛び出た瞬間、
「牛が逃げたーーー!!Nくんはあっち回ってくれ!! Hはあっち!!」
勇敢な内科のSくんは指揮をとりはじめました。
そして牛舎の周りに円陣が形成!
なんとしても学校に隣接する原始林(東京ドーム48個分)への逃亡は阻止しなければなりません。
素晴らしいチームワークによりすでに逃げ場はなし。観念しなさい!牛!
しかし・・・その数秒後・・
「ドーン!うわぁぁーー!!」
Nくんの叫び声が!!
「お、俺のことはいいから・・・牛を・・・グフッ(←想像)」
牛糞置き場に埋まっているNくんを後に、牛を取り囲もうとする私たち!
「よ、よくもNをーーー!!貴様、許さん!!」
牛相手にタイマンを挑むSくん!それは無理だ!!
「うわぁーーー!」
「え、Sくーーーーーん!!」
やはり・・
言わんこっちゃない・・・
相手はkonisiki三人分・・・
「後は頼んだ・・・最後の砦(原始林入り)だけは・・守って・・グフッ(←想像)」
「Sくーーーん!!君の勇敢な指揮は一生忘れない!(←美化)」
・・・ん?待て!!俺一人じゃん!!まあ俺が逃がしたんだけども・・・
そこで私は牛をけん制しながらある作戦を実行!
その名も・・・「餌を撒きながら檻へ誘導作戦!」
この作戦がなかなか功を奏し、順調に牛は檻へ・・・
なんてうまく行くはずがありません。
牛は濃厚飼料が異常に大好きなのです!
牛は私の持っている濃厚飼料が詰まった袋に気づき、
そして再び華麗にターフを 駆け抜け始めました。
後ろ向き走りから徐々にダッシュへと変更を余儀なくされる私!!
そして檻に向かってダイブ!!!
ウンコとワラがクッション代わりになり、一命を取り止め、
なんとか牛も檻に納めることが出来たのでした。
皆さんも牛を飼うときには脱走に注意しましょう^^;
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