3月も中旬に入り、獣医大学の合格者も大体決まってきた頃ですね。
もうすぐ新しい獣医の卵が1000人以上誕生します^^
ビーグル獣医が大学に合格した後の事を色々と思い出しますね~。
「お父ちゃん♪R大学以外全部落ちたから北海道行かせて♪」
「バカ言うな♪金無いぞ♪関東圏のとこ受かりなおせ♪」
R大学以外全部落ちたビーグル獣医は、ダメ元でお父ちゃんにお願いしましたが即刻却下。
まあ、関東圏から突然北海道行かせて!なんて、親からしたら考えものなんだろうなぁ・・
お父ちゃんの反応も当然かも知れません。
しかし、当時のビーグル獣医はそんな親の気持ちなどサッパリ分かりません。
せっかく獣医学部受かったのに!!とふてくされていました。
ところがその後数日経ったあと・・突然、お父ちゃんから衝撃の言葉が発せられます。
「おい、アパート探しに行くぞ。今すぐ準備しろ」
こうして、何が何だか分からないまま、ビーグル獣医とお父ちゃんは弾丸ツアーで北海道へと飛び立ち、
アパート探しへと繰り出しました。
学生街にはアパートがたくさんで、問題なくアパートは決定。
「これから貧乏学生なんだから今のうちに食っとけ」
とタラバガニやウニ・イクラをたらふく食べさせてもらい、あっという間に旅は終了しました。
思えば父親と二人きりで旅をしたのは、これが初めてかも知れません。
お互いギクシャクした旅でしたが、
仕事が忙しい中、お金が無い中・・
あれは最大限の盛大な送迎会だったのだろうと思います。
あの出来事があって、今のビーグル獣医があるんですね~。
さて、ということで今回は漫画「動物のお医者さん」第8巻です。
早速参りましょう~。
⇒北海道の手厚い洗礼 家から出られないビーグル獣医(アパートの話もしています)
親なし子犬の面倒を他の母犬に看てもらおうというシーン。
ただ単に面倒臭がりの漆原教授が楽をしようとしただけのシーンですが、
実は気付かぬ内に最高の選択をしているかも知れません^^;
人間でもよく「母乳と粉ミルクじゃ身体の強さが違う!」などと言われますが、
実は成分はほとんど変わりませんし、そこまで差は出ません。
まあ、やり方にもよりますが(汗)。
ただ、犬や猫の場合は少し人間とは状況が違ってきます。
その理由は管理の仕方にあるんです^^;
人間の場合だと「おぎゃーおぎゃー」「お腹空いたの?おむつ?」となりますが、
犬や猫だとどうしても人間が決めた根拠の無い時間で管理しやすいってことですね~。
「ミルクの時間は7時、13時、19時、1時ね!」といった具合にです^^;
人間と同じようにちょっと異変があったら「お腹空いたの?ウンチ?おしっこ?」と出来れば
良いのかも知れませんが、その異変はきっと母犬以外で把握するのは難しい異変なのでしょう。
必然的にミルクを飲む回数や量は減ってきて、育ちが遅くなります。
保健所の職員に話を聞きますと、産まれて間もない子猫を粉ミルクで育てた場合と
母猫と一緒に育った子猫を比べると、育ち方は2倍近く違うそうですよ~。
しっかりと成猫になってしまえば他の猫と大差無くなりますが、
小さく弱い期間が長いってことはそれだけ病気にかかる可能性も増える⇒身体が弱い、となります。
回避する方法としては付きっきりで様子を見て、せめて分かる異変だけは対処してあげるのが
一番ってことになりますでしょうか^^;
超音波をあてるために、毛を刈るシーン。
この超音波の毛刈りですが、実に難しい。
毛刈り自体がじゃありません。
病院の経営をも脅かす存在・・それが毛刈りなのです。
漫画では超音波検査をするためには毛刈りが必須!のような書き方にも見えてしまいますが、
実な簡単な超音波検査でしたら毛を分けてゼリーを塗れば出来てしまいます。
でも、そこで「もう少し詳しく見た方が良さそう・・」という結果が出ると、
毛刈りをして鮮明な画像を見る必要が出てくるのですが・・
ここからが獣医の戦い、いわゆる超音波の難しさなのです。
ダメです。
この子ではダメです。
毛刈りはやめて、毛を分けてゼリーで頑張りましょう。
どうしても難しければ、議題「なぜ今、毛刈りが必要とされるのか~2016 センテンススプリング~」を
小一時間お話して飼い主さんに十二分にご理解頂いたうえで、注意深く入念にマッチ箱の大きさ程度の毛刈りを
実施する必要があります。
このフローを実施しないと
「あの病院に行ったら○○ちゃんの素敵な毛並みを丸刈りにされて・・」
と噂になり、更に噂はエスカレートして
「あの動物病院の先生はバリカンフェチ」
「ありがとう○春!」
などと有りもしない噂が発生し、名誉どころか経営自体が危機に陥る可能性すらあるのです。
ああ・・いいですね・・
ビーグル獣医好みの雑種ですが、残念ながらトリマーのニオイは全く漂ってきません。
バリカンが唸りを上げてその時を待っています。
「検査のために毛、刈っても良いですか?」
「ああ、いいですよ。バッサリいっちゃってください」
帰り際にはヒャッヒャヒャッヒャと笑う飼い主さんの姿が・・(※注 愛のある笑いですよ^^;)
哀れですが、どの犬よりも精度の高い検査をしてあげるとしましょう^^;
先ほどの毛刈り&ひと悶着で悲惨な姿へと変わった愛犬を飼い主が迎えに来たシーン。
マッチ箱程度と理解頂いたはずの毛は、場所の見立てが外れたためごっそり剃られ、
怪我までして飼い主さんに怒られること必至の状況となってしまいました(汗)
しかも相手はその筋の人・・タダでは済まないことでしょう。
しかし、漆原教授を始めとする悪徳獣医は、ここで謝るようなことはしません。
「自分たちの失敗をそれ以上の損害を持って力づくで納得させる」
この技によって、病院の危機を回避するのです。
もちろん、1000万円の弁償なんて勘弁ですので病院の悪い噂が立つこともありません(苦笑)
さて、それでは続きは後編でお話しましょう~。
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