「ああ!こんな時に水かきがあったら!」
「ああ!こんな時にクチバシがあったら!」
「ああ!子供を卵で産めたなら!」
「ああ!毒を持ってたら!」
普段生活をしていくうえでこんなシーン、ありますよね。
しかし、残念なことに我々は哺乳類なのである。
親がどんなに特殊な遺伝子を持っていたとしても、せいぜい毒薬の外注が限度だろう。
水かきやクチバシ、卵生は夢のまた夢である。
ところが、この特徴全てを持った夢の哺乳類が存在するのだ。
羨ましいことこの上無いが、我々がその能力を有しない以上、
彼らと仲良くして水かきやクチバシ、そして毒の恩恵を受けるのが得策かも知れない。
そこで今回は夢の哺乳類「カモノハシ」について考えてみようと思う。
カモノハシの特徴
全長はオスで最大63cm、メスで最大55cm、体重はオスで1~3kg、
メスで0.7~1.8kgで生息域はオーストラリア一択である。
カモノハシは哺乳類としては珍しくクチバシを持っている。
しかもその触感はゴムゴムで、鳥類のそれともちょっと違う。
このゴムゴム触感が胡散臭さを倍増させたのか、1799年には科学者ジョージ・ショーの手により
「カモノハシのはく製にハサミを入れて縫い目を探す事件」が勃発してしまった。
しかし当然縫い目は見つからず、めでたくカモノハシは新種として
登録されることになったというのが経緯である。
ところがこの科学者たちが恥をかいた仕返しなのかどうなのか、
カモノハシにつけられた名前は「鳥の口吻」「カモのような」「水モグラ」「カモモグラ」など
ロクな名前しか付けられなかったことについてはビーグル獣医も涙が止まらない。
カモノハシの食べ物
肉食性で昆虫類、甲殻類、貝類、ミミズ、魚類、両生類等を食べる。
立派な水かきを持っていて、魚類や貝類を食べるのだ。
そんなプロフィールを持っているのであれば、当然水の中の獲物を
ゴムゴムクチバシで颯爽と捕まえるのだろう・・と思いきや、実は残念ポイントも多い。
彼らの狩りを追ってみるとしよう。
【カモノハシの狩り】
狩りの為に水の中へダイブ ヾ(* ̄▽ ̄)ノ
↓
水の中に入ったものの、目が開けられず閉じちゃう (´Д`|||)
↓
クチバシでなんと生体電流を察知して獲物をロックオン ヾ(* ̄▽ ̄)ノ
↓
更には11分もの間、水中に居る機能を搭載 ヾ(* ̄▽ ̄)ノ
↓
しかし動くと1~2分で限界を迎え浮上 (´Д`|||)
・・と、随所にオチが用意されているのである。
この欠点が、むしろカモノハシの愛らしさを増長しているのかも知れない。
カモノハシの卵
カモノハシは哺乳類にも関わらず卵を産む。
ちなみに卵の大きさはいわゆる鶏卵と同じくらいの大きさである。
「おばあちゃんが間違えて卵焼きにしちゃわないかしら・・」
と心配されている飼い主さんも居るようであるが、
鶏卵とは違いブヨブヨねばねばの怪しい卵となっているので心配要らない。
むしろ、それでも間違えて卵焼きにしてしまうようであれば、
おばあちゃんの心配を先にした方が良いだろう。
カモノハシの母乳
卵から産まれたカモノハシは母乳で育つ。
ただし、母乳とは言っても乳首は存在せず、腹部にある乳腺から分泌されるため、
まるで汗のように母乳が出てきて子供がそれを飲むのである。
人間など他の哺乳類のイメージとは少々異なるだろう。
「私もお腹から母乳が分泌されています」
衝撃の告白をしてくれるほどビーグル獣医を信頼してくれているのは嬉しいが、
それはおそらく臍炎(へその感染症)である。
何科にかかって良いのかビーグル獣医の乏しい知識でアドバイスすることは出来ないが、
一刻も早くその母乳を止めることをオススメする。
「脇から出ます」
ただの汗っかきである。
「でも汗より濃いです。」
ワキガである。
何科にかかって良いのかビーグル獣医の乏しい知識でアドバイスすることは出来ないが、
一刻も早くその母乳対策を専門家に相談することをオススメする。
カモノハシの生活
夕方や早朝に行動が活発になる、いわゆる薄明薄暮性となっている。
このことから、カモノハシに家計を助けてもらおうと一般企業に就職させるのは難しいかも知れない。
朝元気だが仕事が始まるやいなやヤル気を無くし、そろそろ仕事も終わりという夕方になると
元気になり始めるという典型的なダメ社員になってしまうのである。
カモノハシに家計を助けてもらおうとするのであれば、
パートを駆使してもらうのが現実的であろう。
ちなみにビーグル獣医調べだと・・
【早朝】
・ビルのトイレなどの清掃
・飲食店の開店準備
・新聞配達
・コンビニ
【夕方】
・スーパーのレジ
・飲食店の翌日開店準備
・デイサービスの送り迎え
などが候補に挙げられるが、カモノハシは元々群れでは無く単独で生活することを好むため、
あまり対人で愛想笑いが必要なアルバイトは向いていないかも知れない。
そうなると清掃、新聞配達、開店準備などに絞られるが、カモノハシはバイクや自転車を
乗りこなすことが出来ないので新聞配達は他のアルバイターよりも不利になってしまう可能性がある。
上記により、早朝は清掃、夕方は飲食店の翌日開店準備というのが
カモノハシに最適なアルバイト選択となるだろう。
カモノハシのオスとメスを見分ける方法
カモノハシのオスとメスには大きな違いがある。
それは「後足の爪から毒が分泌されている」かどうかである。
オスのカモノハシだけ、後足の爪から毒が分泌されているのだ。
「カモノハシ飼ったはいいけど・・オスかメスか分からないなぁ」
そんな飼い主さんは、一度引っ掻かれてみればハッキリするので非常に分かりやすい。
大丈夫。人間での致死例は報告されていない。
ただ、ほんのちょっとだけ・・無力になってしまうほど激しい全身の痛みがあるだけである。
ちなみに一度カモノハシの毒に侵されてしまうと、ほんのちょっとだけ・・
数日から数ヶ月間の間猛烈な過敏症状に苦しんでしまうことになる。
大丈夫。人間での致死例は報告されていない。
もし、
「もう~、何言ってんのよバカ~。ペシッ」
「いってぇ!!何すんだよお前!強く叩き過ぎなんだよ!!」
と、軽いツッコミにも関わらず猛烈なリアクションを呈する彼氏が居た場合、
もしかすると彼氏はカモノハシの毒にやられている最中なのかも知れない。
オスとメスを見分けるために引っ掻かせたのか、その辺の野生カモノハシに引っ掻かれたのかは
定かでは無いが、カモノハシのせいであるので彼氏をいたわってやって欲しいものである。
なお、カモノハシの毒で人間が死んだ報告は今のところ無いが、犬や猫であれば
致死するのに十分な毒であるので複数飼いをする際は注意が必要だ。
カモノハシのQ&A
Q.カモノハシは日本で見られるんですか?
A.いいえ、日本国内の動物園で飼育された事例はありません。
誘致を行ってみたこともあったのですが、オーストラリア政府の許可が得られなかったのです。
誘致を行ったのは「世界都市博覧会」という幻のイベント。
1996年3月から臨海副都心で開催予定だったのですが、直前見事にバブルが崩壊しました。
それでも委員会は「開催しましょう!」と意気込んでいましたが、当時の青島都知事が家族や知人と相談して
中止を決定しちゃいまして、600億円近い損失を出すことになったのです。
このいざこざはニュースで取り上げられまくることとなり、臨海副都心の知名度は急上昇。
なんだかんだ博覧会の一番の目的であった「臨海の開発」に都合の良い状況が生まれました。
気が付けばフジテレビやビッグサイトもやってきて、ただの埋め立て地だった臨海副都心は皆さんご存知の状況に。
ある意味青島作戦は成功したと言えるでしょう。
Q.「かものはし」と「おもてなし」は関連がありますか?
A.いいえ、関連は無いと思われます。
ただ、「誘致」というここ一番の場面で滝川クリステルが突如「おもてなし」を用いたことから、
カモノハシの誘致失敗を根に持っていて意図的に「おもてなし」を用いた可能性が無いとは言い切れません。
滝川クリステルが幾度となく、オーストラリアの自然に関する番組に出演していることも、
この可能性を捨てきれない一因となっています。
今後、カモノハシ誘致が成功した際の滝川クリステルの動向に注目することとしましょう。
Q.帽子をかぶったカモノハシを見かけました。虐待かも知れないので帽子を取ってあげても良いですか?
A.それはおそらくカモノハシのペリーです。
じわじわ人気のディズニー新キャラですので出会えて良かったですね。
ただ、帽子を取ってあげることはオススメ出来ません。
普段「ぼんやりしておとなしい」普通のカモノハシ(?)であるペリーですが、
↑普通のカモノハシ(?)
実はエージェントPと呼ばれる優秀なスパイで、ドゥーフェンシュマーツ博士による悪の陰謀を阻止し、
世界を救っているのです。
↑スパイなカモノハシ
ところが、帽子を取ると普通のカモノハシ(?)に戻ってしまうのです。
それでは世界の危機は誰が救ってくれるのでしょうか?
このような理由から、帽子を取る事はオススメ出来ません。
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