犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

 

副腎の病気!と言うと2秒で去ってしまう方もいらっしゃるかもですが・・
そんなに難しい病気ではありませんのでお読みくださいませ~。

 

 副腎って?


副腎はホルモンを出してくれるところです。
その主要ホルモンの中にはあのステロイドが含まれます。

「え!?ステロイドって体で作られてるの!?」
はい、作られています(笑)

 

 どういう病気なの?


病名からも分かりますが、副腎皮質の機能が亢進・・・・
ホルモンを出すのが仕事でそれが亢進しますから・・・

という事で、ステロイドがたくさん作られてしまう病気なんですね。
あれだけ副作用が騒がれているステロイドがたくさん作られてしまったら、
それはそれは大変なのはお分かり頂けると思います。

原因はいくつか種類があります。
副腎自体がおかしい場合。
副腎に指示を出す下垂体と言う部分がおかしい場合。
それに薬としてのステロイドが原因のもの。

そしてステロイドの副作用と同じ症状が見られるのも当然のことですね。
代表的な症状としては

・多食
・多飲多尿
・痒みのない左右対称の脱毛
・ビール腹
・免疫力の低下
・糖尿

です。

この病気は8歳以上の犬に発生しやすいので、
これらの症状を年齢によるボケや抜け毛と自己解決してしまう
飼い主さんがいらっしゃいます。

ビール腹もただの肥満と思ってしまう方は多いです。
このビール腹は肝臓が悪くなっているのが原因ですので、
いくら食べるのを控えさせても治るものではありません。

「なんでいつもと同じ量しか食べさせてないのに太るのかしら・・」

「最近うちの子年のせいか抜け毛が酷くて・・痒がってないから病気じゃないと思うけど」

なんて方は注意ですね。
そんなに多くもありませんがそんなに少ない病気でもないのです。

特にプードル・ダックス・ヨークシャー・ポメラニアン
飼ってらっしゃる方は起こりやすい病気ですので特に注意しましょう~。

 

 

 治療は?


体のステロイドホルモンの量を測定しますが、
最低でも8000円くらいはかかります。

その他一般検査・血液検査・尿検査なども行いますので、
更に治療費はかかりますね。

そして、副腎自体に異常があった場合は、その後
副腎を一時的に破壊するような薬を使いますが、これも高価です。
最初に13000~17000円程度、そしてそれから一ヶ月毎に
3000円~6000円くらいでしょうか。

副腎の腫瘍が原因の場合は手術も考えられますが、
(副腎の細胞数自体が増えているので、機能亢進です)
大体が老齢での発症ですので・・・難しい場合もあります。

それと悪性の腫瘍であった場合はお腹の他の臓器や、
全く別の臓器に転移してしまう事もあり、手術が不可能な事もあります。

また、薬としてのステロイドが原因の場合は
ステロイド量を減らす治療法が行われます。
これが原因の場合は副腎自体の機能は落ちている場合が多いですから、
突然やめるとリバウンドを起こすことがあるので、「減らす」なのです。

予防方法も特に無い非常に厄介な病気です。
ただ、早期に治療を始めれば、コントロールできる
可能性は十分にあります。

異変に気づいたら老齢などのせいにせず、
しっかりと病院で調べてあげましょう~。

 

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