犬の狂犬病


ワクチンと言えば狂犬病。
これ、どんな病気なのでしょう。

 

 感染するのは犬?だよね?


「狂犬病」と言う名前ですが、実は全哺乳類に感染します。
はい、コウモリでも人間でもですよ~。
そして、発病するとほぼ100%死んでしまう恐ろしい病気です。

狂犬病は約4000年前から人類に知られていた病気で、
今でも毎年5万人近くの死亡者を出しております。
特にインドは多く、毎年3万人近くが狂犬病で死亡しているのです。

 

 病原体は何なの?


狂犬病ウイルスの感染です。
このウイルスは感染した動物の唾液に含まれ、
主な感染経路は「感染動物に噛まれる事」です。

傷口からウイルスが入ってしまうんですね。
どうして唾液に含まれるのでしょう?

 

 唾液にウイルスが出てくるまで


入り込んだウイルスは、神経を利用します。
つまり、入り込んだ部分の端っこの神経から、
どんどんと中心の神経に向かっていってしまう
んですね。

一番大切な中枢神経にウイルスが到着すると、
そこで増殖を繰り返します。

そして増えたウイルスが今度は端っこの神経にばら撒かれます。
その中の一部は、神経を伝って唾液腺に向かい、
今度は唾液腺でも増殖を繰り返すようになります。

これが唾液にウイルスが含まれる理由です。

 

 どんな症状?それはどうして?


最初に潜伏期間があります。
これは約1~2ヶ月ですが、安定しません。

噛まれた部分の神経からウイルスは上っていきますから、
その部分によってももちろん期間が変わりますよね。

発病すると、神経が侵された事が原因で
何でもかんでも敏感に反応してしまい、目の前のもの
全てに噛み付こうとする狂躁状態
となります。

その時期を過ぎると、全身の神経にバラ撒かれたウイルスに
よって、今度は麻痺状態になり、最後は昏睡で死亡します。
(ただし、発病後終始麻痺状態の場合もあり)

 

物を飲み込む神経にもウイルスはバラ撒かれ、
麻痺を起こしますのでヨダレを飲み込む事が出来ません。
なのでヨダレをダラダラ流してしまいます。

また、何でもかんでも敏感になっていますので、
水を飲み込もうとすると、その刺激で喉の筋肉、
それに全身がギュッとなってしまい(痙縮)、
その苦痛で水を飲めません。極端に水を恐がるようになります。
この事から、狂犬病は「恐水症」と言う異名を持ちます。

 

 治療法


発病した動物への治療法はありません。

 

 

 予防法


皆さんご存知のワクチンです。
日本の近く、アジア圏でもまだまだ発生している病気です。

検疫は絶対にミスが無いのでしょうか。
密輸などの問題は無いのでしょうか。

全哺乳類感染の病気です。
しっかりとワクチンを打ちましょう。

 

 ワクチンがあるのにどうして世界から撲滅出来ないの?


野生動物がいる限り実質不可能です。
例えばヨーロッパではキツネ、オーストラリアではコウモリなど、
噛みつく動物で、野生に生きる動物が居ます。
発展途上国ではコウモリによる感染も頻繁に起こっています。

空からのワクチン含有の餌散布などの対策で、減少傾向に
ある国もありますが、世界から無くなる事は無いでしょう。

 

↓記事が参考になった!楽しかった!と少しでも思ったら共有して頂けるとビーグル獣医がヒャッホウです↓

このエントリーをはてなブックマークに追加


ビーグル獣医が犬猫自然食本舗を紹介することにしたワケ

『+獣医のペット病院ウラ話!?』トップ