えーーっと・・「犬の心不全」の解説になりますが、
この1ページで解説出来るほど簡単な病気じゃありません~。
ここでは、心不全の簡単な解説をさせて頂きます。
おそらく心不全は、それだけでサイトが一つ出来てしまうような、
奥深い病気となっております。
ご了承くださいませ~。
「不全」ってやばそう・・
「心不全」と聞くと、「心臓が完全にヤバイ状態」のように思えてしまいます。
でも、そんな事は全然ありません。
そもそも「不全」の意味とは皆さんの考えておられる意味では無く・・
疾患・・・病気がある。しかしまだ症状が現れていない
不全・・・病気がある。しかも症状も現れている。
と言う医学上の分類ですので、普通に言われている「病気」の事です(汗)
腎不全も同じような意味になりますよね~。
心不全とは
つまりは「症状が見られる心臓の病気」ですよね。
「心臓が正常に動いていない」ので、次のような症状が起こります。
・咳が出る ・鼻水が出る・運動を嫌がる ・失神する ・チアノーゼ・体重減少 |
どうして三つに分かれているかは後々説明します^^
太字が心臓病の三大症状となります。
咳が出る 鼻水が出る
血液の循環経路はご存知ですか?
心臓→体全体→心臓→肺→心臓→体全体→・・・・・・・
簡単に書くとこんな感じになりますね。
つまり、肺で酸素を集め、体全体に運び、肺で酸素を集め・・
が繰り返されている訳です。
これを前提に、心臓がしっかりと血液を送り出せていなかったらどうなるでしょう。
実は「肺に順番待ちの血液が行列を作って」しまいます
そうなると肺の血圧も、もちろんパンパンですので高くなります。
そして血管には無数の穴がありまして、普段は大丈夫でも
圧力が高すぎると、血液の水分がにじみ出てきちゃうんです。
そうなると肺には水がたまってしまう事になります。
これが「肺水腫」の状態です。
皆さん風邪で、気道に分泌物があってもゴホゴホ咳が大変なのに、
肺に水がたまっていたらどうなってしまうでしょうか。
肺はい、もちろん咳は酷いに決まっています(汗)
皆さん風邪で、気道に分泌物があってもズビズビ鼻水が大変なのに、
肺に水がたまっていたらどうなってしまうでしょうか。
肺はい、もちろん鼻水も出ますよね。
運動を嫌がる 失神する チアノーゼ
まともに血液が送れていませんので、
酸素が体全体に行き届いていません。
ですので、運動なんかしたら「貧血中にマラソン」のような
過酷な状況になってしまいます。
貧血で運動したがる方がいらっしゃらないように、
心不全で運動したがる犬も居ませんよね。
あまりに酸素不足になれば、失神したり、
チアノーゼを起こしたりもします。
体重が減る
原因は定かではありませんが、心臓病の子は
体重が減りやすい傾向が明らかにあります。
心不全の治療
・心臓を楽に動けるように補助
・高くなっている血圧を下げてあげる
ような治療で、出来るだけ症状が進まないようにしてあげます。
治す薬はありません(汗)
心臓を強くする薬、血管を広げてあげる薬、利尿薬を使います。
ちなみに食事療法も有効です。
→心疾患のサポートフード例
早期発見が重要ですよ~
早く治療を開始すれば、それだけ心臓も頑張ってくれます。
助けてあげますので当然ですよね。
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