チェリーアイってご存知ですか?
これは瞬膜腺とよばれる部分が原因の遺伝病です。
瞬膜腺が飛び出てくる!?
「瞬」という文字から少し予想できるかも知れませんね~。
「まばたき」がこの腺の働きです。
つまり涙を目全体に広げたり、危ないものから目を守ったりな役割があります。
この瞬膜腺の固定が遺伝的にしっかりとされていなかった場合、
固定していない瞬膜腺は飛び出してくることがあります。
つまり生まれつきこの病気が出やすい犬がいるんです。
飛び出た瞬膜腺がさくらんぼのように見えるから
「チェリーアイ」って言うんですね。
名前を付ける人もよく考えるものです。
ビーグル、アメリカンコッカースパニエル、セントバーナード、ボストンテリア、
ペキニーズ、バセットハウンドなどで起こりやすいです。
1歳以下で発症することが多いですね。
どうやって治すの?
軽度であれば薬で治そうとしますが、手術が必要な事もしばしばあります。
手術について、昔は取ってしまう方法がとられていましたが、
今では瞬膜腺が本来あった場所に引っ込めてやる手術が一般的です。
で、本題ですが・・・
さてさて、難しいお話でしたが、実はチェリーアイを引っ込める
手術というもの自体、知らない獣医が意外といるのです。
実際、ペットの情報サイトなどでも、昔から続くサイトには
「チェリーアイの手術は切除」という書き方をしているサイトがいくつも見つかります。
情報サイトでこういった間違いは危険ですね~。
切り取ってしまうと後遺症が残ることがありますからねぇ・・・
「チェリーアイです。切除しましょう」と言われ、サイトや本などで調べた飼い主が
「引っ込める手術をしてもらえませんか?」と言ったところ、
「何を言ってるんですか?なんですかそれは。私の診療に不満でもあるんですか?」
と逆切れする獣医が居たと聞きます。
もうすでに獣医の中では一般的になっている引っ込める方の
手術さえ知らない、いやぁ・・勉強不足です。
「私は今までこの方法で問題が起こったことはない!」
と、こういった獣医のほとんどは言いますが、あくまで「今まで」ですよね。
新しい危険の少ない手術があるのですから、
そっちにすればいいじゃないですかって思います(汗)
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