犬の伝染性肝炎(アデノウィルス感染症)

 

アデノウイルス1型によって起こる、犬の感染症です。
ちなみにアデノウイルス2型はケンネルコフの原因。
非常に大きなウイルスだったりします(目にはもちろん見えませんが;)

 

 ウイルスの特徴は?


強いウイルスです。いろんな意味で(汗)
環境中でも数日~数ヶ月生き残ります。

感染すると尿や糞、唾液からもウイルスが排出されまして、
あちこちに糞、尿、唾液をばら撒いた日にゃあ・・・
危ないですよねぇ。

アルコールや石鹸では死滅しませんので、

「もうアルコールで消毒したから大丈夫!」

「今日は伝染性肝炎の犬が居たからしっかり手を洗って・・ペス!今行くわよー」

はダメです(苦笑)

アンモニウム塩以上の消毒か、56℃以上で死滅させましょう。

 

 どうやって感染するの?


糞や尿から排出されたウイルスが、口や鼻経由で感染します。
なんだか汚い気もしますが、メジャーな感染方法です。

目に見える糞や尿だけでは無く、ほとんどは目に見えない汚染物から
感染してしまいますので、ばら撒かれていた場合避けるのは至難の業です。

 

 

 症状はどんなもの?


大きく四つに分けられます。

突発性致死型突然のひどい腹痛、体温上昇、虚脱により、24時間以内に死亡してしまいます。子犬に感染するとこの型が多いです。
重症型最初は元気が無くなり、風邪のような症状を示し、続いて下痢・嘔吐・食欲不振など、お腹の調子が悪くなります。この状態がしばらく続いた後回復しますが、回復期には角膜の混濁(ブルーアイ)が起こります。
軽症型軽度に元気が無くなり、食欲不振、発熱が起こりますが、すぐに回復します。
無症状型臨床症状はあらわしません。

重症型のブルーアイは特徴的な所見となります。
通常治りますが、中には一生目の見えなくなってしまう場合もあります。

 

 犬伝染性肝炎の問題点


回復した後でもウイルスを排出します。
しかもその期間は数ヶ月です。
つまり、健康に見える何ともない犬でも、感染していた場合は
辺りにウイルスを撒き散らしている事になります。

「犬伝染性肝炎に罹っちゃったんだけど、もう治ったのよ!良かったわぁ」
なんてご近所さんが居た場合は要注意です。
まあ普通は居ないとは思いますが・・・(汗)

 

 犬伝染性肝炎の予防


混合ワクチンの対象疾患です。
ケンネルコフの原因である、アデノウイルス2型の予防で、
同時に予防出来ます。
同じ種類のウイルスですからね~。

しっかりとワクチンを打っていれば、基本的に大丈夫です。
先ほど挙げたような、健康に見えてもウイルスを排出している
場合もありますので、予防はちゃんとしておきましょう。

 

↓記事が参考になった!楽しかった!と少しでも思ったら共有して頂けるとビーグル獣医がヒャッホウです↓

このエントリーをはてなブックマークに追加


ビーグル獣医が犬猫自然食本舗を紹介することにしたワケ

『+獣医のペット病院ウラ話!?』トップ