普通に動物病院で働いていれば、耳掃除をしない日はまずありません。
特に耳が垂れた犬種は蓋がされていますので耳の中がジメジメしやすいです。
ジメジメしていれば当然、
・梅雨のせいでビーグル獣医の大切なボローニャにカビが生える
・ビーグル獣医は雨の日の居酒屋で「お座敷席へどうぞ~」と言われるのが怖い
と同様の問題が耳の中で起こってしまいます。
ボローニャが湿気ってしまえばカビが生えますし、
靴の中がジメジメすれば細菌が増えて異臭を放つ訳です(苦笑)。
耳の中がジメジメすれば、細菌が増えて外耳炎の原因になるって事ですね~。
もちろん、立耳だろうと乾いていようと起こる時は起こる病気ですので
こまめに耳掃除をしつつ、異常を見逃さないようにしていきましょう^^
細菌などによる外耳炎
ジメジメして細菌や酵母などが増えて炎症を起こしてしまうパターンです。
なお、外耳炎共通の特徴として「愛犬が突然のブレイクダンス」することがありますが、
これはあまりの痒さに、頭を振ったり耳を引っかくことによって耐えしのいでいる状況です。
「まあ、練習熱心ねぇ。」
などと温かい目で見守らず、早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。
引っかくとその傷が原因でさらに治りは遅くなりますからね。
細菌による外耳炎の場合、治療は抗生物質の内服になります。
もちろん、耳掃除やってからですよ^^;
物理的にきれいにしておいて、内側から薬を効かせるという治し方です。
また、「痒くても掻いちゃだめ!」と熱心に叱りつけても
犬は4文字しか理解してくれないせいか言う事を聞いてくれません。
仕方がありませんので、ここは痒み止めも出しておきましょうかね~。
とにかく人間と違い、飼い主さんや獣医がミスをするとすぐに掻かれてしまって
耳がボロボロになって再発・・という難しい病気です。
なので、予防が大切なんですね~。
ダニの痒~い外耳炎
細菌による外耳炎も十分痒いのですが、さらに悲惨なダニによる外耳炎。
犬が異常なほど痒がるので、発見はしやすいのではないでしょうか。
ダニが感染すると耳の中に黒い、ベトベトしたようなものが溜まります。
病院ではこれを一部採って、顕微鏡でダニの存在を調べて判断します。
最近はモニターでダニをお見せする病院が多いかも知れません。
このダニはものすごく感染力が強いので、複数の犬を飼われている場合は
他の犬も感染していると見ておいた方が良いと思います。
全頭一斉にブレイクダンスを始めた場合、飼い主さんの中にはテレビ局出演の打診を
考え始めてしまわれる方もいらっしゃいますが、ダニがパンデミックしてしまいますので
今回は避けておいた方が無難かも知れません。
(損害賠償の方が高くついてしまう可能性があります)
また、特に子犬はダニが感染しやすい環境ですので注意が必要です。
生後2,3ヶ月が一番危ないです。
あまりに痒いため、今後の成長、性格に影響を及ぼす可能性までもが考えられますので、
発見した場合は迅速に病院に連れていかないと、今後皆さんが苦労する事になってしまいます(汗)
治療はイベルメクチンと呼ばれる強力な駆虫薬を使用します。
ダニの場合も耳掃除は基本ですよ^^
酷い場合には毎日掃除する必要があるくらい、黒い汚れがジャンジャン出てきます。
体全体にまで感染が及んでいる場合は、完治まで忍耐が必要で、
気長に治療を続けていかなければなりません。
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