犬のフィラリア症(犬の糸状虫症)

 

こわーいフィラリア。
この病気についてと薬について、少しお勉強しましょうね。

 

 フィラリアってどんな病気?


さて、フィラリア・・・これは寄生虫です。
蚊が犬を刺すと、蚊の中の幼虫が皮膚から侵入、
皮膚の下か筋肉で成長を2,3ヶ月続けます。
そして次に血液に侵入して、心臓へと向かって行くわけです。

そこで更に成長して、3,4ヶ月後には子供を産みます。
その子供は血液中にばら撒かれた状態になって、ミクロフィラリアと呼ばれる
フィラリアの赤ちゃんが血液中にたくさんの状態になります。

それが育って犬の心臓(正確には動脈ですが)に溜まる
→血液が上手く流れなくなる、心臓に負担がかかるという病気
です。

 

 フィラリアの広がり方と予防


この、ミクロフィラリアを持った犬を蚊が刺す
→蚊の中で幼虫になる→他の子に移る

という流れでどんどん感染は広がってしまいます。

心臓にたくさん留まって、心臓の邪魔をしてから
症状が出ますので、症状が出た頃にはかなり進行しています。
日本では放っておく、つまり予防をしないと
感染率は50%以上
とも言われています。

 

 予防薬はどんなもの?


「予防薬」と呼ばれる事が多いですが、実は駆虫薬。
フィラリアの幼虫が皮膚や筋肉の中で成長している時を
狙って
、幼虫を攻撃する薬となります。
血液に出てしまうと、効果は100%出せなくなります。

感染してから血液に出てくるまでは2,3ヶ月かかりますので、
それまでの間に使うようにします。
しかしながら、早すぎてもあまり幼虫が溜まっていません。

なので、幼虫が溜まっていつつ血液に進まない、蚊が出てから
1ヶ月後くらいを目安に
あげる薬となるのです。
そして、二ヶ月以上はなるべく間隔を空けない薬なんですね~。

 

 

 予防薬の雑学


一ヶ月に一回予防薬をあげますが、この予防薬、
実は一ヶ月効果が続く薬ではありません。

一ヶ月に一回、筋肉・皮膚で成長している幼虫を倒します。
つまり感染はしています(汗)
「感染後、症状を出させる段階まで進ませない」薬なんですね。

また、「筋肉・皮膚内の幼虫を倒す」目的ですので、
蚊が出現していない時期、蚊が消えてから数ヶ月以上、
また出現して直後の時期には薬をあげても全く意味がありません。

居る訳無いですもんね(笑)

 

 予防薬の注意


幼虫を狙っているこの駆虫薬ですが、実はこの薬、
成虫にも効いてしまいます(汗)

前年度に大量に感染、成虫が住み着いていて、
今年になって何も調べずに薬を投与すると・・・
大変危険です(汗)
死んだ馬鹿デカい成虫は、血流に乗ってどこに詰まるやら、
非常に恐ろしい話になってしまいます。

ですので、毎年一番最初のフィラリア予防時に検査
が必要になる訳ですね~。

「毎年予防をしているのにどうして?」

「別に調べなくても居ないはずじゃあ・・」

確かに、しっかりと毎月飲ませて、蚊が居なくなってから一ヵ月後まで
あげていたのであれば、感染の可能性はほぼ0%でしょう。
しかし、本当に全部その薬は飲めていますか?吸収されていますか?

たまに、犬が吐き出していたのに気が付かない場合があります。
また、蚊が居なくなりきる前に投薬を終わってしまっている場合もあります。
そして、下痢などを起こして、しっかりと吸収できていなかったなんて事も・・

こういった場合ですと、薬をしっかり飲ませたと見せかけて、
次の年までにしっかりと育ってしまっているかも知れません。
そこに薬をあげてしまうと・・・

毎年初めのフィラリア検査の必要性、お分かり頂けましたでしょうか^^;

 

 成虫を殺す薬


放っておいてしまった、または前年度の最後の予防をしないで、
今年感染していたことが分かった時にはもう心臓にいる成虫を
どうにかするしかないです。

まだ心臓に居る成虫の数が少ない時には薬を使って殺します。
「なぜ?」多いと死体が大量に出ますよね。
血液の流れている中で殺すと大きな成虫の死体は
血管を塞いだりショックを起こす原因になる
んです。

なので、たくさん寄生しているときは薬が使えません
しかもその頃には症状もひどいことでしょう。
この場合、頚静脈から道具を使って直接取り除くのです。

完璧に取り出すことはほぼ不可能ですから、
あくまで緊急処置的に行います。

こうならないようにしっかり予防薬は飲ませましょうね~。

 

 まとめ


・蚊に刺されてから初めて効果の出せる薬
・つまり、蚊が出る前に予防しても意味が無い
・フィラリア感染して、血液に出てくる前に倒す薬
・ミクロフィラリアが血液にいる=すでにだいぶ前に感染している
・サボると犬が非常にかわいそうなことになります!

 

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