犬や猫の下痢止め

 

薬の話ってのはどうも難しくなりがちで
・・・ちょっとスランプ気味のビーグル獣医です。
さて、今回は下痢のお薬・・でしたよね?(爆)

私は胃腸が(というか体全体)が弱い体質ですので、
よく下痢や胃の薬にはお世話になります。
みなさんも下痢をしたことがないって方はいらっしゃらないでしょう。

そもそも下痢が起こるのはなんででしょうか。
胃腸の仕組みからまずは考えていきましょう!

 

 胃腸の仕組み


胃は上の部分と下の部分に分けられます。
上の部分では、食べ物を溜めておくことが出来ます。
そして、溜まっている食べ物を下の部分が少しずつ、
食べ物を細かくしながら胃酸と混ぜ合わせて小腸に送り出していきます。たくさん食べると「膨満感」がなかなか抜けませんよね。
それは胃の上の部分に食べ物が溜まって、
少しずつしか小腸に移動していないからなのです。

 

小腸
簡単に言いますと、小腸は「栄養を吸収する場所」です。
胃だけでは食べ物は分解されきってはいません。
小腸でも食べ物を更に分解して、吸収して、残り物を大腸に送り出します。小腸には十二指腸、空腸、回腸があるのですが、名前の由来ってのは面白いですよ。
十二指腸は、指十二本分の長さだからこの名前。
空腸は、死体を解剖した時に中身が空っぽだったから空腸
回腸は、そのままカーブが多い、つまり回って存在してる腸だから回腸なんです。

 

大腸
大腸は小腸では吸収されなかった水分と電解質(塩分とかですよ)を吸収します。
ここまでで、食べ物の栄養と水分、塩分などを全部摂れることになるんですね。

というのが胃腸管の働きなわけです。
では下痢はどうやって起こるのでしょうか?

 

 

 下痢の仕組み


さて、皆さんの下痢のイメージは
「ビチャビチャ。ゴロゴロ・・・」みたいな感じですよね。
つまり水分が普段のウンチに比べてものすごく多くなっているような。

じゃあ単純に、水分がどうして増えるのかを考えると・・・
水分の吸収は大腸ですから・・・
大腸が水を吸収してくれなかったら下痢は起こってしまいますね~。
大腸がおかしい場合が下痢の原因として考えられました。

それに加えて、小腸で栄養分がしっかり吸収されず、
大腸に栄養たっぷり濃い濃いウンチが流れてきた場合も、
ナメクジに塩をかけるがごとく、浸透圧で水が出るようです。

ということで、下痢の原因は大腸、小腸がおかしくなることが中心となります。
それに食べすぎたり飲みすぎたりでは、大腸・小腸が対応しきれなくて
同じような事が起こることがありますので、それもプラスしましょう。

更には腸を操作している神経なんかがおかしくなっても起こりますが、
今回は主に大腸、小腸自体がおかしくなった場合について
どういった薬がどのような効果があるのか、見ていく事にします。

 

 下痢を止める薬


ロペラミド
実はこの薬は「麻薬効果を持たないモルヒネみたいなもの」なんです。
これは腸の送り出し運動、つまりウンチの進みを遅くする薬です。
滞在時間を長くして、出来るだけ水分を吸収してもらおうということですね。

 

ベルベリン
生薬です。苦いです。
これも腸の送り出し運動を遅くして、吸収できる時間を長くしてくれます。
しかも、抗菌作用があるので、嫌な細菌が増えないようにしてくれたりします。

 

次硝酸ビスマス、タンニン酸アルブミン(収れん薬)
腸の粘膜の表面に膜を作って守ってくれます。
つまり、腸炎で吸収が上手くいってないときに効果があります。

 

吸着剤
毒素や細菌、ガスなど、腸に悪い影響を与える物を吸着してしまいます。
そうすることによって、腸に作用出来ないようにするんですね。

下痢の原因は様々です。
一言に先ほど「小腸や大腸がおかしくなること」と言いましたが、
感染症、つまり腸炎などによって起こることもあれば、精神的に
辛くて腸がおかしくなることもあります。

これら下痢止めは、あくまで下痢を止めることが目的で、
その下痢の原因を治すことではないので、しっかりと
原因の治療をしつつ使っていくのがいいですよね。

 

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