犬や猫の強心薬

 

さて、心臓の薬を勉強するには心臓のことを知っておかなければなりません。
自分の心臓のお勉強にもなりますから、この際ちょっと頑張ってみましょう!

心臓は心筋という特殊な筋肉で出来ています。
心臓って規則的に「ドッドッ」と鳴っていますよね。
実はこの「ドッドッ」、たった一つの細胞から始まっているのです。

この心筋の一つの細胞が「ビビビ」と電気を起こします。
そうすると隣り合った細胞にその電気が伝わって・・・
更に隣の細胞→隣の細胞→・・・・・・

結局一つの細胞から起こった電気は全部の細胞に伝わっていきます。
心臓は一つの塊で全部の細胞はつながってますからね。

そしてこの電気を合図として、筋肉が収縮するようになっています。
その電気つまり合図がが伝わるのが一瞬の出来事、
だから心筋が一斉にギュッと収縮するんです。

でも心筋だって筋肉です。
疲れてしまって動かなくなってしまうこともあるのです。
そうなった心筋が増えてしまうと、心臓は
上手く血液を送り出せなくなってしまうんですね。

完全に疲れきって、動きが止まってしまうと
「心不全により心臓停止」
となってしまいます。

でも、普通の状態じゃ心筋は動かなくなるまで疲れきることはありません。
ではどういった時に疲れてしまうのでしょうか・・

 

 心不全の原因


さて、心不全=心臓の筋肉が疲れ、それが原因で症状を示している状態です。

例えば心臓の弁がおかしくなった場合。
年をとった小型犬によく見られる「僧帽弁閉鎖不全」です。

心臓には弁というものがあります
これは何をしているかと言うと、つまりは蓋なんです。
心臓がギュッと収縮した時に、心臓に血液を運ぶ血管と、
心臓から出て行く血管、両方の道が開いていたらどうなるでしょう。

両方から血液が出て行きますよね。開いていますからね。
なので、血液が運ばれてきた方に戻って行かないように
蓋をする必要
があるんです。
それが弁の役割となります。

それが緩んでしまう病気が「僧帽弁閉鎖不全なんです。
この状態ですと、緩んでいますので血液が運ばれてきた方にも
逆流してしまう事になります。。

でも、酸素や栄養を送るために、いつもどおりの
血液を体全体に送り出さなければいけないです。

では、どうやって送り出すか。
心臓が強く収縮するしかないんです。

つまり今まで「逆流0:送り出し100」だったものを
「逆流20:送り出し100」にする
わけです。
心臓が使う力は最初の100に比べて120に上がってしまいます。

それが心臓の負担になります。
こうして、心不全になり、止まってしまいます。

弱った心臓を強く強制的に動かす薬、これが強心薬なんです。
つまりは延命治療。
強心薬と組み合わせて、出来るだけ心筋が長持ちするような薬を使っていきます。

 

 心不全の薬


心不全の治療に使われる薬は3種類。
出来るだけ早くから治療することが効果を上げることにつながります!

①ジギタリス製剤などの強心薬

②利尿薬

③血管拡張薬

②、③は他の項目でお話しますのでここでは①について。

ジギタリス製剤はヨーロッパ原産のゴマノハグサ科、
ジギタリス類という植物から見つかりました。
このジギタリスの強心作用はなんと!1775年から知られていたのです!!
すごい歴史を持った薬なんですよ~。

このジギタリスの作用を簡単に挙げると

1)心筋の収縮する力を強くする!

2)心拍数を減らす

3)心臓の中で発生する刺激の伝わり方(さっきのビビビです。)を遅くする

1はそのまま、弱っている心臓ですから・・強くしてあげるのです。
そして2。
なんで心拍数を減らすの?と思うでしょう。

心拍数が早いってことは一回に血液を送り出す量は少なくなってしまいます。
心臓に入ってくる血液が溜まる前に押し出してしまいますからね。

ですからたくさん貯めて、強く押し出す!
これによって効率的に、一回で多くの血液を送り出す訳です。

そして3の作用。これは不整脈を抑えるのに役立つのです。
心臓が暴れださない為に伝わり方を遅くするわけですね。

この3つの作用が上手く絡み合って心臓を上手く動かしてくれるのです。
しかし、このジギタリス。
副作用が不整脈という何とも矛盾した特徴も持っています。

使い方が難しい薬ですので、獣医も血中の
ジギタリス濃度を調べながら使ったりします。

では次に②利尿薬、③血管拡張剤、がなんで
心不全の薬になるのかについて紹介します。
心臓が悪いペットを飼ってらっしゃる方、
自分自身の心臓の悪い方は見てくださいね。

 

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