さあ、次は尿検査の項目を確認してみましょう。
手元に検査用ペーパーは持ちましたか?^^
ペーパーの項目の中でも、重要度の高いものから順番に
お話していきたいと思いますので、皆様お付き合いを宜しくお願いします^^
尿検査の項目「pH」
pHの項目は、尿が「アルカリ性」「中性」「酸性」なのかを調べるものです。
pHは食べ物だったり、体質だったり、感染だったり・・と様々な要素で変化します。
人間ではそんなに重要度の高くない項目ですが、
犬や猫にとっては一番使用頻度の高い項目かも知れません。
その理由は「尿結石」の多さ^^;
犬や猫、特に猫は「尿結石」になってしまう子が非常に多いです。
特に一番多いのは「ストラバイト結石」と言う石で、
この石には今もなお、たくさんの方々が苦労されていると思います(汗)
一回石が出来てしまうと、手術以外ではなかなか解決しません。
実はこのストラバイト、「酸性だと溶けてアルカリ性だと結晶になる」
性質がありまして、つまりは尿がアルカリ性だと危険信号です。
酸性だと、もし結石の成分が尿の中にたくさんあったとしても、
(少なくともストラバイトについては)溶けておとなしくしてくれているのです^^
もともと、自然界で捕食していれば尿のpHは弱酸性になりますが、
何しろ今現在のペット業界は食べ物の種類があるあるあるある・・・
野菜なんかも尿をアルカリ性にする原因になる事があります。
尿がアルカリ性になって、結石の成分が徐々に出てきて、時間を経て石に・・・
尿のpHを定期的に測っておくことで、この悪い流れを断ち切ることが出来るのです^^
また、犬の場合、pHがアルカリ性になる原因で一番多いのは「細菌感染」。
他の項目とあわせる事で、いわゆる膀胱炎、尿道炎の可能性が出てきます。
猫は体質でpHがアルカリ性になりやすい子も多いです。
毎回測っても測ってもアルカリ性の場合は、食事療法も考えなければ
いけないかも知れません^^;
(尿を酸性にするような処方食があります)
つまり、pHの正常値は「弱酸性」になるって事ですね~。
尿検査の項目「タンパク質」
通常タンパク質は尿に出てきません。出てきても少量です。
どうしてかと言うと、尿を作る腎臓はザルのような役割をしていまして・・・
体に必要なものは残すように出来ているのです。
つまりは、スパゲティーの水切りをした時に、下にスパゲティーが
こぼれないのと同じ、普通は流し台へおさらばする事はありません(笑)
お湯だけがジャーーーっと流れて行き、スパゲティーは残ります。
腎臓からは水など不要なものだけ流れていき、たんぱく質は体に残ります。
でも、ザルが壊れると・・・
悲しい結果になるでしょう。さよならスパゲティー。さよなら昼食。
タンパク質が尿に大量に出てくる、これは腎臓と言うザルに
異常があるのでは無いかと疑いが持てちゃいます(汗)
それともう一つ^^
膀胱炎になってしまうと、戦った後の白血球や細菌の死骸など、
色々な種類のたんぱく質がおしっこに含まれて排出されます。
こちらを早期発見するためにもこの「タンパク質」という項目は重要なんですよ~。
尿検査の項目「潜血」
潜血と言うのは、その漢字の通り「血が隠れてますよ~」って事です。
普通に見える尿の中に、こっそりひっそりと血が隠れています。
どうして尿に血が出てくるかと言いますと・・・
・石が膀胱の中に出来ていて、ジャリジャリ膀胱を傷つけている
・膀胱炎や尿道炎が起きていて、弱ったその部分から出血している
・体の中で血が壊されまくって、血の成分が尿から捨てられている
などなど。
何しろ「血が隠れている」のですから、見た目や臭いでは判別不能。
ペーパーテストは良い助けとなります^^
さすがに目に見えて出血してたら、急いで動物病院へGOしましょう。
尿検査の項目「尿比重」
汗をかけば「尿は少しだけにして」
がぶ飲みし過ぎたら「尿をたっぷり出して」
体の中でこんな命令が行われているであろうことは、
皆さん自らの体をもって薄々感づいてらっしゃるかと思いますが(笑)
この命令にはあるホルモンが関わっています。
そして、実はこのホルモンの命令方法は「尿を出しなさい」では無く、
「尿を出すのをやめなさい」というもの。
抗利尿ホルモンと呼ばれます。
このホルモンの産生に異常があると、「尿を出すのをやめなくていいよ!」に
なってしまうため、薄~いジャブジャブの尿が出されまくることになってしまいます(汗)
そうすると尿比重が下がってきますよね^^
このような病気を発見することが出来ます。
さて、長くなってきましたので、残りの項目は次回お話しましょう~。
(上記では時々売り切れています。売り切れていた場合はこちらをどうぞ)
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