犬の避妊手術

 

「避妊手術はした方が良い?」と聞かれたら、ほとんどの獣医師は
「した方が良いと思いますよ」と答えるでしょう。

では、何で避妊した方が良いと言われているのでしょうか?

今回はメリットとデメリット、さらに手術費用から術後のお話を
ビーグル獣医が解説いたしましょう~^^

 

 なんで避妊手術をしなくちゃならないの?


健康上の問題が一番かと思います。

子宮や卵巣を摘出しますから、当然これらに関する病気は発生しません。

また、犬や猫は一度に何頭も子供を産みますね。
管理できないペットを増やすということは、ペットのためにも、
飼い主のためにも不幸なことです。

私が子供の頃飼っていたビーグルも、無計画な出産から産まれた
8頭のうちの1頭で、他の子供たちは保健所で殺されてしまいました。

 

 どんな手術なの?


現在もっとも多く行われているのは、卵巣、子宮の全摘出です。
昔は卵巣のみの摘出なども行われていましたが、この卵巣のみの摘出後に
子宮蓄膿症を発症することが多いので全摘出が主流となっています。

 

 メリットはあるの?


避妊しないで、更に出産もさせなかった場合、年を重ねるごとに
これら子宮の病気の危険性はアップします。

そして、乳腺ガンは年をとった犬・猫に見られる悪性腫瘍ですが、
これについては二回目の発情までに避妊手術をすると発生率がかなり下がります。

1回目まで:0.05%

2回目まで:8%

2回目以降:26%

犬の子宮蓄膿症

犬の乳腺腫瘍

 

 デメリットはあるの?


強いて言えば、ペットのお腹を切るということです。

もちろん100%安全ということはありませんからね。
ただ、避妊手術について、その手術が原因で死亡することは極々少ないです。
死亡する場合はだいたいが術後の管理が原因で、
麻酔が覚めないうちに舌がつまってしまうことによる呼吸困難などによります。

 

 いつごろ連れていけばいいの?


生後1年以内で出来れば初回発情前が理想的です。
早い場合、尿を我慢できなくなってあちこちにお漏らしをすることがあります。
しかしながら、この症状は少々ホルモン治療をすることによって
改善しますので問題ありません。

逆に遅い場合は、2回目の発情が来てしまった後ですと、先ほど言いました
乳腺ガンの可能性が高くなってしまいますし、子宮疾患の可能性も考えられます。

一般的には適正時期よりも早く手術するのと遅く手術するのでは、
早く手術したほうがメリットは大きいです。

果たして犬に避妊手術をすると獣医は儲かるのか

(↑こちらで詳しくかかる費用などについてお話しています)

 

 

 手術にかかる費用は?


これは動物病院ごとに、どのように手術をするかで変わってきます。
メスの手術はオスの手術よりも高いです。
お腹を開けますからね。

大体、現在私が見た感じでは2万円~5万円くらいで収まっていると思います。
この価格の差は使う麻酔や手術器具、ペットの大きさ、助手などの人件費などによります。
猫は犬よりも体が小さく、使う麻酔なども減りますので、価格は若干安いです。

また、上に挙げた価格は、術前の検査(血液検査、尿検査、糞便検査など)の
料金も含んでいますので、実質1万2千円~3万円くらいが手術費用となります。

手術の後に入院をする必要がだいたいありますが、
ペットにとって病院というところは大変ストレスのかかる場所です。

ですので、最近では1日程度の入院で帰してしまうケースが多いです。
当日に返してしまう病院もあります。
なので、実質入院費用はそんなにかかりません。

価格は基本的に高い方が良いものを使って手術しているので安全です。
しかし「安いから危険」というほどの危険でもありませんので、
そこは飼い主さんが選択する部分でしょうね。

 

 術前・術後に気をつけることは?


手術前の検査はしっかりやってもらいましょう。
何か病気が隠れていた場合、それを知らずに麻酔をかけると
死につながる場合も考えられます。

念入りに術前検査をしてくれるような病院を選ぶといいです。

「避妊をしたいんですが・・・」

「はい、じゃあ来週のこの日にお連れになってください」

とすぐに言うような病院は危険です。

また、手術の前には前の夜から絶食、遅くとも
当日の朝から絶水
しましょう。
これを守らないとペットの危険につながります。

術後は普通にご飯を食べる場合はいつもどおりのご飯で構いません。
よく、術後にご飯を多くあげる飼い主さんがいますが、
これはペットが太ってしまう原因になるだけです。

よく、「避妊をすると太りやすくなる!」と言われますが、
既に科学的に「多い子では30%食事を減らさなければ
維持が出来ない」との報告がされています。

結構な量ですね~。
最近では避妊・去勢後用の処方食( ニュータードケア)も
発売されていますので、場合によっては利用するのも良いでしょう。

また、ワンちゃんが糸をとってしまったり、傷口を腫れ上がるくらいに
いじってしまった時は獣医に連絡しましょう。
2日以上ご飯を食べない場合も同様です。
大体一週間程度で抜糸となります。

 

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