どっちが悪い? 「慣れ」が引き起こした獣医の悪すぎる冗談

 

 

人で一番怖いもの・・・それは「慣れ」

獣医は特に、「慣れ」に気をつけないといけない職業かも知れません^^;

今回はそんな獣医の慣れが起こした、飼い主さんとの一つの事件をお話しましょう。

 

 そもそも大学から・・・


大学生の頃から、獣医は一般の方から見ると
「ええーー!!有り得ない!」と思われるような
慣れが見られたりします(汗)

中でも、私の記憶に残っているのは解剖学実習で
解剖された動物を囲んで学生がピースする写真・・・
うーん、普通は有り得ないでしょうねぇ(汗)

 

 入院してました


パフィーちゃんは、入院していた猫。

腎不全が進んでしまっていて、
もう亡くなるまで秒読みの状態です。

ケージの扉を開けただけでケイレンを起こし、しかもそれが何回も続く。
動こうにも体が言う事を聞かず、視線もどこかへ行ってしまっています。

ただ、一つだけ希望がありました。

それは、口元に食事(流動状)を運ぶと自分から
一生懸命舐めて、飲み込んでくれるのです。

こういった状態の動物ではビーグル獣医が特に気にするのは
「しっかり食べられるかどうか」。
これは生死を左右する重要な要素だと思うのです。

つまり、この子はまだまだ回復に期待が持てる状況でした。

 

 獣医は熱心でした


担当していたその獣医は、診察が忙しかったにも関わらず
三十分置きに強制給餌を続けました。
時には走り、診察後もあげ続け・・・
パフィーはだんだんと動きに力強さが出てくるようになったのです。

病院にも何回泊り込んだことでしょう。
明らかにその獣医があげた素晴らしい功績でした。

腎臓の数値も徐々に低くなってきており、
「もしかすると・・・」そんな期待を持てるような状態にまでなったのです。

しかし、ここで一つの事件が起こりました・・・

 

 

 慣れによる常識ハズレの冗談


その獣医が友人と買い物に出ていた時の事。
ペチャクチャとくだらない会話をする中で、
とんでもない冗談が飛び出します。

A「疲れたわー。もう俺もケイレン起きそう・・うわぁぁぁあ」

B「おっ、やばい、ケイレンだ。ってパフィーかよ!」

A「いやぁ、危うくパフィー状態でケイレン連続しそうだったわぁ」

B「マジで!じゃあ俺流動食口に入れてやるよ!」

明らかに、獣医という職業に「慣れ」過ぎていて、
常識から逸脱した冗談になっている事に気づいていなかったのでしょう。
きっと悪気は無かったのでしょう。
普段の努力は本物でしたから・・・

そして、そのコンビニにたまたま居合わせたのが・・・

パフィーちゃんの飼い主さんでした。

その時はその獣医に声をかける事も無く、ただただ呆然と、
そのコンビニで立ち尽くすしか無かったようです。

 

 そして次の日・・・


次の日、パフィーちゃんの飼い主さんは
突然の退院を申し出ました。

獣医は戸惑い、
「どうしてですか!ここまで良くなってきたのに・・・もったいないです!」

でも飼い主さんは聞く耳を持ちません。

結局パフィーちゃんはそこで退院、その後他の病院に行ったのか、
それとも自宅で亡くなってしまったのか・・それは分かりません。

 

 どうしたら良かったのでしょう


もちろん、責任はあんな冗談を言ってしまった獣医師側にあります。

でも、彼の熱意は本物だったと思います。
でなきゃ何日も泊り込み、30分毎に流動食、しかも忙しい
診察の中で・・なんて事は出来ません。

飼い主さんの気持ちも良く分かります。
そんな冗談、黙って聞いてられる訳もありませんし、
その獣医師に対しての不信感は相当の物だったでしょう。

でも、それは獣医がその子を助けようと頑張った日々を
帳消しにするくらいのものだったのかどうか。

そして一緒に頑張っていたパフィーちゃんを退院させてしまう程の
悪意あるものと受け止めるべきだったのかどうか。

一番可哀相なのはパフィーちゃんです。
この話、皆さんはどう思いますか?

 

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