犬の寿命が年々延びてきて、
ガンの発生率もぐんぐん上がってきています。
ガンは基本的に早期発見、早期切除が好ましいですが、
切除と抗がん剤の併用、または切除できない状態などで
抗がん剤が使われることがあります。
ガンとは何か?
そもそもガンとは何でしょうか。
ガンはもともと自分の細胞なのです。
細胞は常に増えていって、古い細胞は死んでいき、新しい細胞と
古い細胞が入れ替わることによってバランスを保っています。
これは遺伝子が操作していて、
アクセルの役割の遺伝子とブレーキの役割の遺伝子が
それぞれ普通の状態ではこのバランスを守っているのです。
「細胞を増やしすぎだぞ」
→ブレーキの遺伝子が指令して増えるスピードを落とす
「細胞がもっと必要だぞ」
→アクセルの遺伝子が指令して増えるスピードを上げる
この遺伝子でブレーキの方が働かなくなったらどうでしょうか。
アクセルだけが働き続けて細胞は永遠に増え続けていきますよね。
増え続けることになってしまった細胞は腫瘍と呼ばれる塊を作ります。
この腫瘍がその場でしか増えないものは良性腫瘍と呼ばれます。
しかし、この腫瘍を作っている細胞が他の場所でも育つような細胞だったら・・・
増え続けている訳ですから、体中をその細胞で埋め尽くしてしまいかねませんよね。
これが悪性腫瘍、つまりガンなんです。
ガンが転移するということ
全身に移動が始まっていたらどうなるでしょう。
血液、リンパ管、移動手段はいくらでもあります。
つまり、その増え続ける細胞が、
体のどの部分に行ったか分からない状況ですね。
目に見えてボッコリ増えていれば切除は出来るでしょうが、
他の場所にも見えないくらいのガン細胞が点在しているわけですよね。
しばらくするとまたいろんな場所からガンが出現して、また切って・・・・
だから「ガン」が転移するとダメだと言われているんです。
どこか違う場所に転移していれば、他にも転移していると言えるのです。
もうそれ全てを見つけ出すことは不可能なんですね。
抗がん剤とは何か?
抗がん剤は「増殖盛んな細胞を殺す」薬です。
つまり、体の中で今、一番増殖盛んなのはガン細胞なわけですよね。
全身に抗がん剤を回せば、全身に点在するガン細胞を殺してくれるわけです。
そこで副作用もこの考え方から分かってくるんですよ。
「もともと増殖盛んな細胞」が体にはあるわけです。
例えば髪の毛。
毎日増殖して増えるから伸びていきますよね。
だから髪の毛の細胞にも抗がん剤が効いてしまいます。
そして髪の毛が抜けるわけですね。
消化管、つまり腸や胃の粘膜も毎日増え続けています。
なので抗がん剤でこの細胞が殺されてしまうと嘔吐、下痢が起こります。
そして血液。
毎日血球は増殖しています。
白血球が減ると免疫の低下を起こしますし、
血小板が減ると出血が止まらなくなります。
これが抗がん剤の副作用の原因なんです。
この「増殖盛んな細胞を殺す薬」という事を覚えておくと、
抗癌剤の副作用はとても分かりやすいものになりますね~。
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