もしも鶏肉の検査のプロがスーパーで鶏肉を買うならば・・

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「うちは一人暮らしだから、使いやすい小さな鶏肉を・・」

それダメー!!

「家族が多いからこの3枚入りのパックを・・」

それダメー!!

「っていうか、どうして獣医の裏話で鶏肉なのさ・・」

それダメー!!(笑)

 

実はですねぇ、スーパーに出荷される鶏肉のほとんどは、我々獣医の検査を受けているんですよ^^
その名も「食鳥検査員」。

食鳥検査員の詳しいお話はこちら^^

 

そんな食鳥検査員なお友達に「スーパーで鶏肉買うの?」と聞いたところ・・

「いや、直接処理場で買った方が安いし」

「いや、正直もう鶏肉のニオイ嗅いだだけでもダメだし」

・・・なんの参考にもならねぇ(涙)このコンテンツは無謀なのでしょうか・・

 

でもスーパーでこれは買わないなって鶏肉はあるよねー」

 

おお!!それそれ!!
詳しく教えてもらおうじゃありませんか^^;

 

鶏肉の選び方の基本


「まあ、知ってるとは思うけど鶏肉の選び方の基本は話さなくてもいいよね」

 

し、知りませんけど何か(汗)。
基本から教えてください。お願いします。ほんとすみません。

 

「あ・・そ、そうなんだ・・まあ一般的には・・」

 

・バサバサしてなくてツヤがある

・軽く押してみて身が硬いほど新鮮

・ドリップが出ていない

・皮が黄色くて毛穴がくっきりしているほど新鮮

 

「ってことは一般的なことなんだけど・・」

 

ええ、知ってましたよ、もちろん。
ビーグル獣医をなめてもらっては困ります。

 

「あ、じゃあお疲れ~」

 

待って!!ごめんって!!知りませんでしたすみませんでした!!
一番大切な買わない鶏肉の条件教えて!!コンテンツが書けないんですお願いします!!

 

「チッ・・しょうがねぇなぁ・・」

 

食鳥検査員が絶対に買わない鶏肉の条件


他と比べて小さい肉だよ。」

 

ん?小さい肉?どうして?

 

お腹がいっぱいにならないじゃん。」

 

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残念だが君はビーグル獣医を怒らせてしまったようだ。
今まで楽しい思い出をありがとう。そしてさようなら。

 

「ま、待て!冗談だって!ちゃんとした理由あるから!」

 

そ、そっか。そうだと思ってたよ、もちろん。
説明してくださいお願いします。

 

 

小さい鶏肉がダメな理由


「だってさぁ、同じ日に生まれた鳥なんだよ全部。」

 

ああ、なるほど。
ではビーグル獣医が詳しく解説するとしましょう^^

 

お友達が検査している工場では一日に3~4農場から鶏がやって来ます。
それぞれの農場からやってくる鶏は3000羽~4000羽。
産まれた日が一緒の鶏です。

ブロイラーを出荷する農場も「一回出荷して終わり!」では商売になりませんから、これは3日に出荷しよう、これは7日に出荷しよう・・と出荷日別に大きなグループで鶏を育てて出荷します。

もちろん、その鶏グループの中には元気にすくすくと育つ鶏も居れば、病気がちで弱々しい鶏も居る訳です。

でも、農場側としては出来る限りの利益を上げなければなりませんし、勝手に病気の鶏を隠蔽したら強烈な伝染病を隠すことにもなりかねませんのでそのまま出荷します。

工場で処理される段階での獣医の判断にすべてが委ねられる訳ですね~。
ギリギリのラインだろうと肉になれば、農場側としては万々歳でしょうね^^;

そして判断する獣医側ですが・・

 

ブロイラーの処理場での獣医の判断


「この鶏、成長が悪いからダメー」

「この鶏、足が病気だからダメー」

 

そんなはじき方は出来ません^^;

 

「成長が悪いからって食べられない理由ってぇのは何だ!」

「足が悪いからってどうして胸肉やササミまでダメだって言えるんだ!?」

 

と、業者側から怒られてしまいます(汗)

 

あからさまに成長が悪く、遺伝疾患や検査では分からないにしても重い病気を持っている可能性が高いといった鶏であれば、「発育不良」という項目で除外することも出来ますが、「ちょっとだけ他よりも成長が悪い」といった鶏を除外出来るような根拠はありません

病気の足から全身に感染症を起こしていて、肝臓などに異常が見られれば除外出来ますが、内臓も問題なく足だけが病気の場合、「足の部分廃棄」だけになり胸肉や病気では無い方の足は出荷されるのです。

そんな色々な鶏たちが、一斉に工場のラインに流れてお肉にされていきます。

 

スーパーの鶏肉


話を変えて、スーパー側を考えてみましょう^^;

スーパーが鶏肉を大量に仕入れるとしたら、一つの工場や市場からまとめて買いますよね~。
色んな工場や市場からわざわざ少しずつ買うメリットなんてありません。

そして、その大量の鶏肉ですが、ほぼ同じ農場と見て良いでしょう。

たまたま2農場分の鶏肉を買ってしまう例もあると思われますが、基本同じグループの鶏肉を大量に買っていかれる訳です。

それが小分けにされて、棚に陳列されるんですね。

さて、大きな鶏肉と小さい鶏肉、どちらがより元気なムチムチ鶏でしょうか(苦笑)

 

鶏肉の選び方 まとめ


・スーパーで並んでいる鶏肉は、同じ日に生まれて同じ日に出荷されている

・過去に病気をした、あるいは病気がちで、現在は元気でも成長の遅れた鶏も混ざっている

・処理場での獣医の判断は「肉に出来ない根拠のないものはスルー」。つまり未知の病気や遺伝的な病気があって成長が悪くても、肉に出来るレベルであれば肉になる

 

これらを考えますと、出来るだけ大き目の鶏肉を買った方が良さそうですね~。

全てまとめると、新鮮な鶏肉をしっかり陳列するスーパーを見分けて、そのスーパーの鶏肉の中でも大き目のものを選ぶ・・というのが一番良い鶏肉の買い方になるでしょう。

グラムあたりの値段が一緒であれば、当然2枚パックよりも1枚ずつ選んで買った方が良い鶏肉を厳選できると思われます。

ビーグル獣医がお友達との関係にヒビを入れてまで得た情報、お役に立ちますでしょうか^^;

 

鶏肉の安全は俺たち食鳥検査員に任せろ!

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