狂犬病の集合注射(集団接種)で並びたくない人のための小技

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動物病院がちょっとだけゆっくり出来る季節「冬」はあっという間に過ぎ去り、
きれいな桜、さわやかな気候、混雑する病院、キレる飼い主、吐くスタッフの季節、
春がやってきてしまいました。

何とかコタツをしまわずに持ちこたえているビーグル獣医ですが、
このコタツが失われる時・・それは春のクソ忙しい戦いへの覚悟を決める瞬間となるのです。

さて、春と言えば各種予防の季節ですが、残念ながら
4月に入ってしまうと動物病院の混雑を回避する方法はありません^^;

 

狂犬病予防注射で動物病院の混雑を回避する方法

 

狂犬病予防接種だけであれば、3月に打ってしまったり7月以降に打つ形式に
してしまったりすることで混雑を華麗にスルーすることも可能ですが、
フィラリアやフロントラインについては時期が決まってきてしまうので難しいのです。

まあ、フロントラインはネットで買っても・・ごにょごにょ・・と思いますけどね(苦笑)。
フィラリアは逃れようがありませんから、犬の飼い主さんは頑張って年に一度の大行列に並び、
フィラリアの検査を受けましょう。

 

フロントラインはネットで買ってよい?

フィラリアの薬

 

猫の飼い主さんは「うちの子シーザーしか食べませんですの。ホホホ」なんてことをやっていると
犬の飼い主さんによる傷害事件発生率がアップする時期ですので注意しましょう。
猫の飼い主さんは動物病院は近づかない方が良いかも知れません。

 

さて、そんな動物病院が混み合うシーズンですが、時間が無かったり、病院が近くになかったりで
狂犬病予防注射については集団接種を選択される方々もいらっしゃると思います。

ということで、今回のメインテーマは(動物病院の混雑はどうしようも無いけれど、
せめて)「集合注射の混雑くらいは出来る限り回避する方法」についてです(苦笑)

 

 

8割近くが行く時間を間違えている!?


「うちの近くの会場は10時からね!」

「じゃあ9時55分くらいに着くように行きましょ♪」

 

残念ですが、5分前行動を心がける素晴らしい大和魂のように見えて、
これは一番下手くそな方法となります(苦笑)

 

集合注射で最も混む時間、それは開始5分前なんですよ~。

 

集合注射の会場では、早い人だと30分近く前から「まだか、まだか」とスタッフを待ち続ける飼い主さんが
スタンバイし、その数はスタート時間に向けて徐々に増していきます。

15分前くらいから、「まだ始まらないのかしら・・」という空気が会場を包み、
和やかな公園は一気に殺伐としたデパートの福袋行列状態に・・

そこへ到着したスタッフは「私たち、準備で忙しいんすよ」と言わんばかりに
会場の準備をするのですが、残念なことに会場の準備も数分で終わります。

あとは開始するだけ・・ですが、まだ時間では無い。
この空気に耐えるのは、いかに開業獣医と言えども至難の業です。

誰が言うのか・・誰が・・誰が・・

 

「先生と(市町村)職員の皆さん・・そろそろ始めますか・・?」

 

その会場で一番偉いと思われる獣医からやっと出た一言。
ちなみに時間は5分前。

こんなに揃いも揃って飼い主さんがプレッシャーをかけているのです。
仕方が無いでしょう。

 

残りの獣医「そうっすね!そろそろ始めちゃいましょう!」

市町村職員「先生方がそうおっしゃるのであれば!」

 

一斉に注射を用意する獣医。
凄まじい推進力で犬よりも早く前進する飼い主さん。
レジで混乱する市町村職員。

 

いつまでこの時間は続くのか・・
ああ・・忙しい・・忙しい・・あ・・あ?ああ?

 

実はこの忙しい時間は開始後10分程度で解消されるのです(苦笑)

 

先ほどまでの混乱が嘘のように、なかなか人の来ない暇な集合注射会場。

そう、ここが狙い目なんですよ~。

 

集合注射は会場によって30分間だったり1時間半だったりと時間はまちまちですが、
30分間の会場であれば15分経過頃、1時間半だったら45分経過頃が狙い目となるのです^^;

そんなに殺伐と並んで待たなくても、1~2分で注射を終えられますから
無理して開始直後に行かない方が皆さんにも獣医や市町村職員にも優しい方法となるのです。

 

「ん?ということは終了直前に行けば一番空いてるんじゃない?」

 

・・と思いきや、それはまた違う問題があるんですよ~。

 

 

終わりかけの時間は危険?


集合注射では、早めに到着出来て早めに準備が済めば、始める時間はちょっとだけ
融通を利かせちゃうこともあるのですが、終わりの時間には相当厳しいです^^;

だって、次の会場にはすでに行列が出来ているんですもの(苦笑)。
最初から移動時間にはあまり余裕がありませんので、5分~6分引き延ばすだけでも
次の会場で非難轟々になってしまう可能性があるんですね。

 

そこで、市町村職員は時報にキッチリと合わせたお役所時計を片手に、

「3,2,1,ハイ!移動です先生方!!」

と時間キッチリにお伝えする訳ですが、どういうことかその時計よりも正確(むしろ早め)に
切り上げようと準備を進めている大御所院長たち(苦笑)

 

そして獣医は時間キッチリに居なくなります。

 

狂犬病集合注射あるあるとして、「せっかく来たんだから打ってよ」「まだ時間じゃ無いじゃない」といった
クレームが全国各地で乱発されていますが、相手は時報を完備してイベントに臨んでいるお役所です^^;
これまで散々同じようなクレームを受けている訳ですから、対策は万全なのです。

時間に関することについてはまず勝ち目はありませんし、「打ってよ!」と言っても
お役所の人よりも先に獣医たち会場を去ってしまっていますので、物理的にも無理ですよね~。

どうしても終わりかけの時間に行きたいという場合は、
こちらも時報を聞いて、正確に終了2分前キッチリに到着するようにしましょう(苦笑)

 

暇な時間が増えると・・


例えば30分間の会場で、最初の10分だけとても忙しくて、残りの20分がとても暇だった場合。

 

「この会場は15分くらいあればいいんじゃないの?」

「この会場10分で良いんじゃないの?」

「この会場廃止で良いんじゃないの?」

 

反省会でそんな提案が出て、その会場の時間または存在そのものが削られてしまう可能性もあります。
毎年同じように見えて、毎回市町村と獣医師会で見直しが行われているのです。

つまり、暇にさせないのも自分の使い勝手の良い会場を守る一つの手段なんですよ~。

 

 

最後に気を付けて欲しい「マナー」


犬を飼っていない人たちにとっては、集合注射なんて迷惑でしかないイベントです^^;

会場では苦情対策として、市町村職員が糞をしたり尿をした犬を監視していて
すぐにきれいに片付ける訳ですが、会場周辺すべてを監視できる訳ではありません。

 

皆さんのうちの誰かが行き帰りのどこかでマナーの悪いことをしてしまったり、
近所の方とトラブルを起こすと、その苦情は市町村の担当へと直行します。

毎年ものすごい量の苦情が寄せられる訳ですが、その中でも特に苦情が多かった会場などは
もしかすると「この会場は実施が難しいかも・・」なんて結果になってしまうかも知れません。

 

そもそも「だから犬の飼い主は・・」なんて思われたくありませんよね~^^;
マナー良く、賢く集合注射会場は利用しましょう。

 

【春の予防関連】

狂犬病予防注射で動物病院の混雑を回避する方法

フロントラインはネットで買ってよい?

フィラリアの薬

 

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