「今日は鳥のから揚げにしましょ♪」
「親子丼が良いわね!」
皆さんが何気なく毎日食べている鶏肉ですが、それは本当に安全ですか?
もし、安全だとしたら誰がどう安全かどうか調べてくれているのでしょう^^;
もうすでにニヤニヤしているビーグル獣医が想像出来ているかも知れませんが(笑)、
そう、これには獣医師が関与しています。
今回は「ちょっと変わった獣医のお仕事 食鳥検査員」についてお話しましょう~。
鳥を処理する場所
「よしっ!今日から俺はブロイラーを仕入れて鶏肉売るぞ!!」
「頑張って!お父さん!」「父ちゃんかっこいい!」
↓
父ちゃんが鶏が重病だったことに気付かず出荷
↓
風味たっぷりブルーチーズ的な珍味鶏肉が食卓へ
・・これはこれで別の意味でファンが増えるかも知れませんが、デンジャラス過ぎますね~。
父ちゃん単体ではちょっと厳しいかも知れません。
ここは獣医が検査してあげるしか無さそうです(汗)
鶏肉の検査場
お肉屋さん「先生ー!鶏1羽捌くよ!検査してー」
獣医「はいはいー」
中華料理屋さん「センセー!北京ダックの注文あったからアヒル捌くアルヨ!」
獣医「へいへいー」
・・・無理(汗)。
こんなやり方では大学卒業した新人獣医を根こそぎ検査員にしないと頑張れません^^;
なので、実は鳥を捌く工場は決められた場所だけにしましょう!という法律があるのです。
大規模食鳥処理場
どこのスーパーに行っても国産鶏肉がこれでもか!と売っているのはご存知でしょうが、
実は国産鶏を処理している大きな工場はそんなに多くはありません^^
一つ一つの工場がものすごい量の鶏肉を生産しているんですよ~。
一日に1万羽とか2万羽のブロイラーを処理したりします。
この数万のブロイラーを検査するため、獣医が県や市町村から派遣されます。
が、その獣医師の数、実に2~3人(苦笑)
農場から運ばれたばかりの生きたブロイラーを外見で病気かどうか確認して、
羽を抜いた丸鶏で皮膚の状況を確認して、機械で出された内臓を確認して・・
この検査を1羽1羽行うんですよ~。大変ですねぇ。
認定小規模食鳥処理場
「ビーグル獣医!うちの近くの肉屋が鳥を捌いてたよ!違法見つけた違法!」
そいつはてぇへんだ!すぐに保健所に連絡して・・とはなりません^^;
実は鶏の処理場にはもう一つ種類があるのです。
「認定小規模食鳥処理場」と言いまして、まさに町のお肉屋さんが捌いていた場合はこれ。
年間30万羽以下の鳥を捌く場合はこれに当たります。
内臓が入ったままの鶏肉を捌いているお肉屋さんは、ちゃんとこの許可を取っているんですよ~。
大規模食鳥処理場が機械で捌くのに対して、小規模はほとんど手作業でお肉を切り分けます。
「せせり(ネック)」のように機械では取れないお肉もありますし、
「給食用に小さくカットしたお肉を・・」なんて注文があっても大規模ではいちいち対応できません。
こちらもこちらで相当ニーズがあるんですね~。
ただし、これらのお肉屋さんすべてを県や市町村の獣医が回り続ける訳にもいきません^^;
そこで、厚生労働省認定の「食鳥衛生管理者」という資格をお肉屋のご主人あたりにとってもらいまして、
毎月一回どんな病気があったか、何羽処理したかなどを報告してもらうのです。
それを県や市町村の獣医師が確認する・・という流れが出来ているんですね~。
また、獣医が定期的な立ち入り検査にも訪れたりもしますので、
お肉屋さんもなかなか楽ではありません(苦笑)
食鳥検査員の悩み
1羽1羽の検査はなかなかヘビーですが、
実はこの検査の手数料・・1羽3円~5円程度です(苦笑)
2~3人がかりで1日中、1万羽の検査をしまくったとしても3万円~5万円です。
全然高くないでしょ(笑)
また、捌いたブロイラーは出来るだけ朝早くに市場やお肉屋さんに届けた方が喜ばれます。
当然、業者としては早い時間に処理したくて仕方がありません。
そのため、検査する獣医の勤務は大体早朝5時か6時に始まります(苦笑)
そしてそして・・何万もの鶏が居ると、糞便は乾いて舞い散り、
工場の中では機械から噴射される水が内臓片を巻き込んで霧状に襲い掛かり・・
従事した獣医師あるあるとして「緑色の鼻水が出る」なんてのもあるようです^^;
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