今は当たり前のようにあげている猫のカリカリ、犬のカリカリですが、
この発想って実は凄くありませんか?
「動物用は、ああいった食べ物にしよう!」と突然は思いつかないと思います^^;
一体どこでどうペット用のドライフードは始まり広がったのでしょう。
時はビーグル獣医が生まれるほんのちょっと前、150年以上前(苦笑)へと遡ります。
世界で初めて??ペット用ドライフードの基盤
始まりは1860年頃のイギリス。
中世頃の船乗りの食事は「ビスケットと塩漬け!」と決まっており、
航海が終わるたびに大量のビスケットを余らせていました。
現代のマリーやロータスのようなビスケットであれば、
ビーグル獣医のような甘党が喜んで持ち去っていただろうと思われますが、
当時のビスケットは「リバプールの敷き瓦」と恐れられるほどの硬さを誇り、味もイマイチ(苦笑)
とても人が好んで持っていくような品物では無かったのです。
そこで船員たちは、どうしようもなくなったビスケットを波止場に捨てていきました。
今そんな事をしたら警察がやってきそうですが、何せ1860年。
放置されたビスケットは誰にも手を付けられることなく・・あ、あれ・・?
リバプールの敷き瓦処理班出動
なんとリバプールの敷き瓦を陰からひっそり狙う者が・・・
そう、野良犬です。
野良犬がおいしそうに、敷き瓦ビスケットをガリガリバクバク食べていたのです。
こうして、犬のご飯に乾物・・という新しい発想が生まれ、
商品化されていくことになっていきます。
英語には当時の名残として 「biscuit eater」と言う言葉があるようです^^;
番犬の仕事が出来ない番犬のことを指すそうですよ。
なんだかちょっと可愛いですね(笑)
この頃から始まった?残りカス利用主義
こうして、犬用敷き瓦製造に踏み切ったイギリス人でしたが、
この頃から現在の「残りカス利用主義」は始まったのかも知れません。
効率良く安価に製造出来るように、製粉業者が穀物のカスを利用して
犬用ビスケット状、または粒状ドライフードを販売するようになりました。
栄養なんてこれっぽっちもありませんね(汗)
当時はこれに肉屋の端肉をコラボさせて与えていたようです^^;
人間のビスケットでも不味かったのですから、この穀物カスビスケットは・・
とんでも無い味をしていたことでしょう(汗)
その後、アメリカ
この技術は1900年代初めにアメリカへと渡り、1930年頃には
もっと食べやすいようにと缶詰のフードも登場します。
ちなみに、この頃はちょうど戦争が絶え間なく続いていた頃です。
人間の食べ物すら手に入りづらい中で、動物用の食べ物入手はもっと困難。
安くて保存の利くフードが必要な状況だったのでしょうね~。
ドッグフード来日
戦後になると、日本にアメリカ軍が入り込む事により
当たり前のようにドッグフードも入り込んできました。
でも、使っていたのはもちろんアメリカ人。
日本にそんな余裕はまだありません。
また、この頃の日本の常識では「犬には残飯」でしたが、「残飯で頑張る警察犬」ってのも
締まりが無かったからでしょうか(苦笑)、警察犬にも使われました。
しかし、販売していたのはほんのごく一部の小売店のみ。
扱いも「動物用医薬品」として、輸入の量もほんの少しだけでしたので、
一般の方が手にすることは不可能です。価格も手が届くようなものではありません。
しばらくこの時期は続きますが、ついに衝撃的な商品が生まれることになるのです。
国産ドッグフードの完成!
日本における最初の国産フード「ビタワン 」です。
ビタワンの詳しいお話は「ドッグフードの名前の由来」でお話していますので、
そちらも是非ご覧くださいね~。
日本のドッグフード、その後
いくら国産で輸入品よりも安いとはいえ、一般家庭にとってはまだまだ高嶺の花^^;
普及には大変時間がかかりましたが、昭和40年頃から徐々に浸透・・・
「犬にはドッグフード」という常識がだいぶ認識されることとなりました。
そして昭和50年代。
だいぶ普及の進んだドッグフードに求められた次の課題は・・「美味しさ」です。
「わんちゃんへのご褒美」「食いつきが違う」などの文面が踊り始めたのもこの頃から。
だんだんと日本のペットフードに暗雲が立ち込めてまいります(苦笑)
食べれば中身はどうでも良い!!というようなフードもたくさん存在していました。
その後、昭和60年代になると「栄養」も注目されはじめ、若干体勢を立て直すフード業界。
更には「安全性」にも注目が集まり、ペットフード規正法も成立。
徐々にではありますが良い方向に向かっているのでしょうか^^;
まだまだ過去に蓄積された毒は排出しきれていないでしょうけどね~。
そして今現在
こうして、ドッグフードの歴史を振り返ってみると、
実は流れは全て「欧米の後追い」なのです^^;
始まりの時点から、今までずーーーーっっとです(苦笑)
そろそろ一発、アメリカやイギリスが仰天するほどの
ペットフード界の衝撃を日本からお見舞いしたい所ですね~。
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