猫に引っ掻かれ犬に咬まれ・・・ 傷の正しい治し方

 

 

猫に引っ掻かれ犬に噛まれ・・・
毎日傷の絶えない生活を送るあなたへ。

「傷口はしっかり消毒するのよ!」

はいダメー。

「かさぶたは治りかけている証拠だからいじっちゃダメ!」

はいダメー。

「ジュクジュクしないように傷口を早く乾かしなさい!」

はいダメー。

ダメダメな傷の治し方してませんか?

 

 最近では常識?消毒はダメダメ


それでは、獣医になりたての頃のビーグル獣医と対話してみましょう。
おっと、ちょうど猫に引っかかれた所のようですねぇ(笑)

今ビーグル「だ、大丈夫?」

昔ビーグル「痛ぇぇぇぇぇぇ!!消毒!!膿む!!うぉぉぉぉぉぉ!!」

今ビーグル「ちょっと待った。消毒意味ナッシングだよ」

昔ビーグル「で、でも細菌が!血が、血がーーー!!」

今ビーグル「うるせえな・・とりあえず水道水で洗いなさいな」

昔ビーグル「水道水なんて滅菌されてないじゃない!やだ、そんなの!」

今ビーグル「面倒くさいな・・・とりあえず傷のところの異物を完璧に取りなさい」

昔ビーグル「・・・・・洗いました。で?このままかさぶたが出来るまで待って・・」

今ビーグル「だーかーらー、それじゃダメだってば。」

傷が出来たら水道水で異物を完全に取り除きます
どうして消毒はしちゃダメなんでしょうか?

 

 自殺行為!消毒のトラップ


消毒はしみます。
どうしてしみるのでしょうか・・消毒の専門家、明夫さんに聞いてみましょう↓

明夫「消毒は細菌を倒してくれる薬だから、ちょっとしみても我慢じゃ!」

・・明夫さんお疲れ様でしたー。もうお会いすることは無いでしょう。
ちなみに全然違います(苦笑)

えー、消毒は細菌を殺す薬、言い換えれば細菌に対するですね。
毒は傷口の細胞にも多少なりとも毒な訳で、しみます。

つまり、「自分の細胞も殺している」状態なのですが、果たして
これは意味のある行動なのでしょうか?

 

 感染が起こる為には・・・


傷が膿んでしまう条件とは次のいずれかになります↓

  1. 傷口に大量の細菌がいる状態で放置
  2. 傷口にある程度の細菌がいる状態で、異物がある

引っかかれて、そのまま放置すれば1番+2番になりますし、
洗い足りなければ2番になる訳です。

つまり、「水道水でしっかりと洗う」が出来ていれば、
異物が無く、ある程度の細菌しか居ない状態ですから
感染の条件は揃わないんですよ~。

明夫「でもちょっとでも細菌が居たら心配じゃ。やっぱり消毒を・・・」

もう・・・仕方が無いですねぇ・・・それは意味ないですよってば。

 

 

 皮膚には細菌が元々居ます


皮膚には普通の状態でも「常在菌」と呼ばれる細菌が居ます
また、それは皮膚全体に膜を張るかのごとく、まんべんなく
行き渡っているんですね~。

消毒して一時的に無菌になっても数時間で膜が復活します。
わざわざ痛い思いをして、自分の細胞を痛めつけてまでする消毒は、
数時間で無駄な努力に終わるのです^^;
そして、ただただ治癒が遅くなると言った悲しい結果になります。

さて、次は水道水で洗った後にどうするかですね。

 

 乾かす派?湿らす派?


ちょうど今、昔のビーグル獣医の傷口にレポーターが待機していますので
ちょっと状況を伝えて頂きましょう。あまたつ~!

あまたつ「はい、現時点でここはだいぶ乾燥化が進んでおりまして、
細胞を治しに来た人々の交通が遮断されている状況です。
やはり湿っていないと通いづらいと皆さん口にされております。
また、付近の住民細胞の方々についても、乾燥している事で
肌荒れ・皮膚切れが激しいと不満を漏らしております。」

はい、ありがとう、あまたつ。
さて、あまたつが伝えてくれました通り、細胞を治しに行ったはずの
人々がなかなか現場に辿り着けないような状況が続いているそうで、
更には付近の住民についても乾燥肌に悩まされているようですね~。

つまり、乾燥した状況では

  • 傷の治癒が遅い(細胞が上手に移動出来ない)
  • 傷口の細胞が乾燥して炎症を起こして痛みを伴う

と言う事が起こる訳で、何も良いことがありません(汗)
傷口は湿らせて治した方が良いのです。

 

 湿らす方法


小さな傷であればキズパワーパッド などを使いましょう。

とにかく、ガーゼを直接当てたりして浸出してきた液体を
わざわざ吸い取ってしまったりしないようにしましょう。
細胞が動きづらくなって傷の治りが遅くなるだけです^^;

サランラップを使った方法などもありますが、ちょっとした注意も
必要ですのでそれはまた今度お話しましょう。

 

 まとめ


傷は湿らせて治す!が現在の常識となっております^^
痛みが少なく、治癒が早いから当たり前ですよね~。

ただ、水道水できれいに洗いづらい深い傷だったり、
あまりにも広い範囲の大怪我だった場合には、
自分で治療したりせずにちゃんと病院に行きましょうね~。

この記事を読んでも「ほんとかなぁ・・」と思われた方は、
傷が出来たときに安物の絆創膏とキズパワーパッドを使って
痛みの程度を確認してみましょう。
キズパワーパッドの方が明らかに痛みが少ないですから一目瞭然ですよ^^

 

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