果たして犬に避妊手術をすると獣医は儲かるのか

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「獣医は儲けたいから避妊手術を勧めてるに違いない!!」

あうぅ・・そんな事言わないでください^^;
多分、ビーグル獣医の予想ですと、儲けたいなら避妊手術しない方が
良いんじゃないかって思いますよ~。

実際どうなのか、病気の発生率なんかと比較でもしてみましょうか(苦笑)

 

まずは避妊手術にかかるお金


犬の避妊手術」でもちょっと解説していますが、
犬の避妊手術代は2万円~5万円くらいと幅が広いです。

使う麻酔やお泊りがあるか無いかなどで変わってきますが、
今回は比較の仕方に疑問を持たれないように(苦笑)、
高めに5万円としておきましょうか^^;

これと将来獣医師に入るであろう収入を比較すれば、
避妊手術をした方が儲かるのかどうかがハッキリしますね~。

ではでは、病気を一つずつあげていきましょう。

 

未避妊で起こる病気 犬の乳腺腫瘍


乳腺腫瘍の年齢別発生率は6歳で1%、8歳で6%、10歳で13%と言われています。
でも、生涯発生率については不明で2%~20%とバラバラなデータしかないのが実情です^^;

今回は10歳の13%を参考に計算してみましょうか(苦笑)
生涯発症率で言うと、ビーグル獣医の予測ではもう少し高いんじゃないかと思います。
そして、手術は初回発情前に行ったとしましょう。

(初回発情前ですと0.05%、2回目までだと8%、2回目以降だと26%にリスクを軽減できるとされています。だいぶデータは古いですけどね^^;)

犬の乳腺腫瘍に関してはこちら

そのうち半分が良性、半分が悪性となりますが、良性の場合は
結局手術しないでも何とかなるパターンも多いですから・・

どうしましょ^^;

極端ですが、良性だったら一切手術をしない事にしちゃいましょう(苦笑)

そうなると、雌犬の6.5%に悪性の乳腺腫瘍の手術をすることになりますよね~。

さて、乳腺腫瘍を発見したタイミングや出来る場所によって、手術の規模は変わってきますが
一番メジャーな「乳腺の片側を全部切除」する手術で考えてみましょう。
出来るだけ簡素なパターンで行きますよ^^

 

レントゲン

針で刺して細胞診

血液検査

手術

入院(4日間)して投薬や包帯交換
取り出した腫瘍の病理検査

 

ね^^
こんな簡素では飼い主さんが心配になるほど簡素ですね~。
続いて費用を考えてみましょう。

 

【犬の乳腺腫瘍 費用内訳】

・診察料 500円

・細胞診(簡易検査) 2500円

・レントゲン 4500円

・採血 1000円

・血液検査 5000円

・手術前の血管確保 2000円

・手術 50000円

・点滴 2000円

・病理検査 9000円

・抗生物質の注射(4回) 4000円

・痛み止めの注射(4回) 4000円

・内服薬 (2×6回) 1200

・包帯交換(11回) 11000円

・入院費(7日間) 17500円

 

計 114200円(税抜)ですね~。
これでも簡素で、さらにニコニコサービス価格(笑)です^^;
それに抜糸やエリザベスカラー、退院後の薬や定期健診は抜きですからねぇ。

雌犬の6.5%ですから、1頭あたりにかかる金額は

6.5%×114200=7423円

7423円という結果が出ました~。
あれ?5万円に全然届かないって?

いやいや、病気は乳腺腫瘍だけではありませんよ^^;

 

 

未避妊で起こる病気 犬の子宮蓄膿症


実はこちらの方が問題なんです。

子宮蓄膿症の解説はこちら

つい最近まで未避妊の犬における子宮蓄膿症の生涯発症率は60%と言われていましたが、
なんと現在、生涯発症率80%と言われ始めています(汗)。

「どうして増えちゃったの?」

実は・・原因は皆さんなんですよ^^;
大切に飼っておられるので寿命が延びたんです。

それでは、同じく流れを確認してみましょう~。

 

血液検査

レントゲン検査

超音波検査

手術

入院(4日間)して投薬と包帯交換

 

またまたとんでもなく簡素ですねぇ(苦笑)
では費用の内訳です。

 

【犬の子宮蓄膿症 費用内訳】

・診察料 500円

・レントゲン 4500円

・超音波 3000円

・採血 1000円

・血液検査 5000円

・手術前の血管確保 2000円

・手術 50000円

・点滴 2000円

・抗生物質の注射(4回) 4000円

・痛み止めの注射(4回) 4000円

・内服薬(2×4回) 800円

・包帯交換(4回) 4000円

・入院費(4日間) 12000円

 

まあ・・こんなもんで済むことはまずありません(苦笑)
もちろん、ニコニコディスカウント価格になっております^^;
計92800円ですね~。

雌犬の80%ですから、1頭あたり74240円・・
ありゃりゃ・・5万円を大幅に超えちゃいました。
60%だったとしても55680円ですから超えちゃいましたね~。

ちなみに子宮蓄膿症の程度が軽ければ、もう少しだけ安くなることも
あるかも知れませんが、大体悪化した状態で病院に来られます^^;

平均すると12万円~15万円くらいかかっていますでしょうか。
酷い状況ですと、退院するころには20万を超える場合もあるんですよ。

 

他にも病気はありますよ


もちろん、子宮卵巣にかかわってくる病気はこの二つだけの訳がありません^^;

・子宮筋腫

・卵巣の腫瘍

などもそうですね。
確率は低い(1%未満)ものの臓器があればそれだけ病気も増えるのは当たり前ですね~。

その臓器がその動物にとって欠かすことの出来ないものであれば
「病気になるから取っちゃいましょう」とは簡単に言えませんが、
果たして犬の卵巣子宮についてはいかがでしょう^^;

 

まとめ


簡単な計算ばかりで正確性には欠けますが、少しはイメージして頂けましたでしょうか^^;

どうやら本当の儲け主義であれば犬の避妊手術はしない方が良さそうですね~。
明日からビーグル獣医は避妊反対派になろうと思います(悪)。

お金の話ばっかりでしたが、一番大切なことを最後にお話したいと思います。

子宮蓄膿症や乳腺腫瘍になってしまって

「あー・・避妊した方が安かったなぁ」

で済めば良いですが、これらは毎年多くの子が命を落としている病気なんです。

子宮蓄膿症の致死率は、データは古いものしかありませんが8~20%。

乳腺腫瘍は悪性のうち半分(つまり乳腺腫瘍の25%)が、
特に悪性度の高い乳腺腫瘍となりますから予後はあまりよくありません。
乳腺腫瘍で亡くなる犬のほとんどが、最後に大変苦しんで亡くなっています。

 

とりあえず少なくとも避妊手術については、獣医は儲けに徹していない
状況のようですので(笑)一番良いと思えるような選択を、皆さんも取ってあげてくださいね^^

 

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