「犬の避妊手術では儲からないらしいけど・・猫では儲けているはず!」
おやおや、だいぶ獣医不信のようですねぇ(苦笑)
実は皆さんの予想ですが・・当たっています^^;
お金に換算すると、結果としては獣医側が儲かることになってしまいます。
あくまでお金だけを見るとですよ~。
ちなみにビーグル獣医は外飼いの猫や野良猫以外では
「絶対に避妊手術した方がいいです!!」
なんてオススメの仕方はしていません。
絶対と言えるほどのメリットが無いからです。外飼いなら猛烈に勧めます(苦笑)
犬では費用面でも健康面でも絶対にオススメですけどね。
どうして外飼いの猫だと避妊が必要?
どうして外飼いの猫では猛烈にオススメなのでしょう。
それは子供を作っちゃうからです。
見つけられないような場所で子供を産んで、子育てされては
飼い主さんも手の出しようがありませんよね~。
そうこうしているうちに、産まれた子猫は野生動物に殺されたり
餓死したり交通事故にあったり・・壮絶な死を迎えているかも知れません。
もし、目の届くところに子猫を産んだとしても
どこの誰だか分からないオス猫との子供をたくさん欲しいんですか?となりますよね。
「それでも子猫たちが可哀想だから育てる!」
素晴らしいことですが、計画的でなく産ませてしまった子猫を育てるくらいなら
保健所からその頭数の子猫を救ってあげて欲しいとビーグル獣医は思います^^;
そもそも外には猫エイズや猫白血病などの病気も蔓延していますし、
交通事故にあった猫もしょっちゅう見ますので、外飼いには反対です。
本題 猫に避妊手術のメリットについて
さて、それでは本題に入りましょうか^^;
猫の避妊手術のメリットのうち、望まない繁殖以外でよく挙げられる項目を見てみましょう~。
・乳腺腫瘍の発生率を下げられる
・子宮や卵巣の病気を避けられる
・発情のストレスを減らすことが出来る
こんな感じでしょうか。
良さそうな項目に見えますが、どうしてビーグル獣医は避妊をオススメしまくらないのでしょうか^^;
それぞれ詳しくお話していきましょう。
未避妊のメス猫と乳腺腫瘍
避妊手術をすると、メス猫の乳腺腫瘍発生率は
・1回目の発情までだと10%に減少
・2回目の発情までだと15%に減少
すると言われています。
猫の乳腺腫瘍はほぼ悪性ですから、これは魅力的ですね~。
さて、メス猫の年間乳腺腫瘍発生率は10万頭中26頭です。
ただし、これは若い猫もオスも含めた値ですから、そのままデータとして使っても意味がありません。
でも使えるデータが無い・・どうしましょ^^;
犬の年間乳腺腫瘍発生数が10万頭中の198頭と言われている中、
10歳での発症率13%ですから、だいぶ無理やりですが(苦笑)
猫は1.5%くらいの発症率としてみましょうか。
(犬でも猫でも生涯発症率で考えればもう少し高い確率になると思われます)
これを費用で考えると、たとえ抗ガン剤治療なども含めて100万円かかったとしても
1頭あたりの平均治療費は15000円。
避妊をしようとしまいと発生する10%がありますから、避妊で得られるのは13500円。
かかった場合は予後も悪く、「避妊しておけば良かった・・」と思う病気ですが
3万円の避妊手術を強く推せるかというと・・出来ないでしょうね~。
100万円はかからないでしょうし(苦笑)
未避妊のメス猫と子宮や卵巣の病気
こちらの病気についても発生率はそんなに高くありません。
データのあるものですと・・
・子宮の腫瘍発生率 0.2~1.5%
・卵巣の腫瘍発生率 0.7~3.6%
子宮内膜炎や子宮蓄膿症もあるにはありますが、犬と比較にならないほど少ないケースです。
これは計算するほどでも無いと思います^^;
未避妊のメス猫一番の問題 発情
実はこれが一番の問題なのですが、もちろん費用として算出出来ません(苦笑)
発情特有の鳴き声はビーグル獣医でも「うるさい!!」と思うほどですし、
ちょっとした隙を見つけては外に脱走しようとしたりと大変です。
外に逃げられてしまっては最初にお話した「外飼い」と同じ問題になりますよね~。
保健所に寄せられる猫の逸走届、実は相当多いんですよ。
2歳~8歳くらいをピークとして、例えば年に2回ずつ発情したとすると
この期間だけでも14回の危機が訪れます。
メス猫によっては生涯性欲を発揮し続ける子も居ますので、
その場合の逸走の危機は数え切れませんね^^;
もし、避妊手術費用すべてを発情対策につぎこんだと考えた場合、
発情1回あたり500~1500円くらいの 逸走防止の保険
または鳴き声への迷惑防止料を払う形になりますでしょうか。
そしておまけとして病気の予防も出来てしまう・・
これをどう考えるかは飼い主さん次第ですね~。
猫の避妊手術 まとめ
犬の場合は避妊手術によって乳腺腫瘍発生率が極端に(未避妊と比較して0.05%)
下がりますし、子宮蓄膿症の発生率も高いのでメリットたっぷりの手術となりますが、
猫の場合は「これだ!」という推奨理由がちょっと見当たりません。
費用に出来ないようなメリットが中心で、病気の防止はあくまでおまけとなるような
手術になりますので、よく考えてから決めるようにしましょう^^
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